シャープがヘルスケア事業を本格強化 独自技術で新市場開拓へ
シャープ株式会社がヘルスケア事業の強化に本格的に乗り出している。同社は生理用品を自動で配布する装置や、咀嚼回数を測定する機器といった独自の製品を相次いで投入し、新たな市場の開拓を目指している。2027年度の売上高を2025年度から5倍に伸ばすという野心的な計画も明らかにした。
浜松市との協業が生んだ「トドクト」
法人向けに2025年夏に発売した「トドクト」は、トイレに設置する生理用品自動配布装置だ。利用者が手をかざすとナプキンが1枚取り出せる仕組みで、衛生面を大幅に向上させている。さらに、稼働後に一定時間の取り出し制限を設けることで大量の持ち出しを防止し、在庫状況を管理者に通知する機能も備えている。
この製品の開発は、2023年に浜松市から生理用品の配布を巡る相談を受けたことがきっかけとなった。同市は以前からトイレなどで生理用品を配布していたが、箱に入れる方法では衛生面や必要以上の持ち出しが課題だった。シャープは試作品で市などと実証実験を重ね、商品化に成功した。
咀嚼データを可視化する「バイトスキャン」
一方、耳にかけて咀嚼回数を測る「バイトスキャン」は、人のそしゃくデータを見える化し、健康管理に役立てることを目的としている。歯学分野の研究や食育サービスなどでの活用が期待されており、初代モデルは約千台が出荷された。2024年からは2代目モデルの展開を開始している。
シャープはこれらの製品を通じて、「目の付けどころ」と評される独自の技術を生かし、ヘルスケア市場での存在感を高めようとしている。同社の戦略は、既存の事業領域にとらわれず、社会課題の解決に貢献する製品開発に重点を置いている点が特徴だ。
2027年度売上高5倍を目指す
シャープはヘルスケア事業について、2027年度の売上高を2025年度から5倍に伸ばす計画を掲げている。これは、新製品の投入と市場拡大を積極的に推進する方針を反映したものだ。同社は今後も技術革新とパートナーシップを強化し、持続的な成長を目指すとしている。
この動きは、家電メーカーがヘルスケア分野に参入する事例として注目されており、業界全体に新たな潮流をもたらす可能性がある。シャープの取り組みが、他の企業にも刺激を与え、イノベーションの加速につながることが期待される。



