岐阜県の山岳遭難者数が過去10年で最多156人に、水難事故は減少傾向
岐阜県内で昨年発生した山岳事故による遭難者数が156人に上り、過去10年間で最も多かったことが県警のまとめで明らかになりました。一方、水難事故の遭難者数は55人と減少しており、県警は登山計画など適切な準備を呼びかけています。
山岳遭難事故の詳細と増加要因
県警警備部によると、山岳遭難事故の発生件数は123件で、過去10年で3番目に多い数値でした。遭難者数は156人と前年比で52人増加し、死者は16人、負傷者は58人といずれも増加傾向を示しています。
態様別では、発病や疲労が原因の遭難が51人と全体の3割強を占め、滑落・転落が40人、転倒が27人と続きました。年代別では、40歳代の遭難者が30人と大幅に増加し、夏から秋にかけての7月から11月にかけては毎月10件以上の事故が発生、8月には27件の遭難事故が記録されました。
同部の担当者は、「夏の気温が高く、山頂付近でも高温が続いたことが影響している可能性がある」と指摘しています。また、遭難者のうち県内居住者は45人、愛知県居住者は42人でしたが、関東地方在住者が31人と約20%を占め、遠方からの登山客の増加も背景にあるとみられます。
北アルプスでの事故と県警の対策
県警では、登山客が増加する時期に北アルプスの「新穂高登山指導センター」に職員を常駐させ、安全指導を実施しています。しかし、北アルプスでは62人が遭難し、8人が死亡する事故が発生しました。担当者は、「山の状況に応じた装備や計画を心がけてほしい」と登山者に注意を促しています。
水難事故の減少と高齢者への注意喚起
一方、水難事故の発生件数は47件と前年比で21件減少し、事故者数は55人、死者数は20人といずれも減少しました。水遊び中の事故者が23人と最も多く、魚釣り・魚取りが11人、水泳中の事故が6人と続きました。
発生した47件のうち、44件は河川、3件は用水路で起きた事故でした。事故者のうち65歳以上が16人と全体の約3割を占め、うち9人は魚釣り中の事故でした。9月には関市の津保川でアユ釣りをしていた71歳の男性が、水深約40センチで転倒し、流されて亡くなる痛ましい事故も発生しています。
県警は、山岳遭難の増加を受けて、登山前の体力確認や天候チェックなどの適切な準備を呼びかけるとともに、水難事故では特に高齢者の安全対策を強化する方針を示しています。



