売春防止法見直しで「買う側」処罰に賛否分かれる 法務省検討会が初ヒアリング
売春防止法見直し「買う側」処罰に賛否 法務省がヒアリング

売春防止法の抜本的見直しへ 法務省検討会が初のヒアリング実施

売春防止法の見直しに向けた法務省の有識者検討会(座長=北川佳世子・早稲田大学大学院教授)が2026年4月7日、参考人への初めてのヒアリングを実施した。現行法では「売る側」の勧誘行為などが罰せられる一方、「買う側」への罰則が存在しない点が長年の課題となっており、今回の見直しではこの点が最大の焦点となっている。

「買う側」の需要こそ問題の根源 NPO代表が処罰強化を主張

性的搾取問題に取り組むNPO法人「ぱっぷす」の金尻カズナ理事長は、ヒアリングで次のように指摘した。「買う側の需要があり、仲介者がそれをつなぎ、貧困や虐待、孤立が利用される構造を変えない限り、性的搾取はなくならない」。金尻氏は、売る側を非犯罪化して支援対象として明確に位置づけると同時に、買う側の勧誘行為を処罰するよう強く求めた。

さらに、法律の名称を「売春・買春防止法」と改めることや、管理売春など売買春を助長する行為に対する罰則の強化も必要だと訴えた。これらの提案は、問題の根源である需要側への規制を強化することで、性的搾取の構造そのものを変えようとする考え方に基づいている。

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現場からは規制強化に懸念の声 労働環境改善を優先せよ

一方、セックスワーカーの安全と健康をめざす団体「SWASH」のげいまきまき代表は、異なる視点から意見を述べた。性風俗産業で働く人の多くが経済的理由から仕事を選んでおり、他の仕事と兼業している人も少なくない現状を説明した。

「買う側を犯罪化したフランスなどの事例では、売買春が人目につきにくい場所に移行し、働く当事者のリスクが増大した」と指摘。規制強化に反対し、現場で起きている搾取や被害には労働環境の改善などで対応するよう求めた。この立場は、規制強化がかえって当事者を危険にさらす可能性を危惧するものだ。

対立する二つの視点 今後の議論の行方に注目

今回のヒアリングでは、性的搾取の構造改革を目指す立場と、現場の実態を重視する立場の間で、明確な意見の対立が浮き彫りとなった。検討会は非公開で行われたが、法務省の説明や参考人側への取材によって内容が明らかになった。

検討会では今後もヒアリングが継続され、多様な意見を収集する予定だ。法務省は2026年秋の臨時国会、あるいは2027年の通常国会での法改正を目指して議論を進めており、今後の議論の展開が注目される。

売春防止法は1956年に制定されて以来、大きな改正が行われておらず、現代の社会状況や価値観との乖離が指摘され続けてきた。今回の見直し議論は、ジェンダー平等や人権保護の観点からも重要な意味を持つ。法改正に向けた議論は、単なる規制の強化ではなく、性的搾取の防止と当事者の保護をいかに両立させるかという難しい課題に直面している。

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