企業が採用で重視する資質とは?スキルや資格より「人柄」が上位に
採用で重視する資質、スキルより「人柄」が上位

企業が採用で重視する資質とは?スキルや資格より「人柄」が上位に

就職活動において、自己分析で得た特性と職種を強引に結びつける傾向がありますが、実際の現場ではより複雑な資質が求められています。企業の採用担当者は、スキルや資格よりも、一緒に働きたい人材の資質を重視している実態が明らかになりました。

タキヒヨー(愛知)が求めるBtoB営業職の資質

繊維専門商社のタキヒヨーは、ファッション流通業界を先導する「つくる商社」として知られています。同社がBtoB営業職に求める資質は以下の通りです。

  • 課題発見・解決力: 消費者や取引先の立場で商品を企画する提案型営業が主流で、売れ行きデータの分析や競合他社の動向を加味した課題解決が求められます。
  • 関係構築力: デザイナーや海外生産工場の担当者など、多様な関係者との信頼関係を築き、深めていく能力が重要です。
  • 柔軟性: 市場動向や取引先の要望に応じて、提案内容や仕事の進め方を臨機応変に見直す柔軟さが必要です。

採用チームチーフの井上千尋さんは、選考では対話を通じて価値観の共有を重視し、センスよりも売れ筋分析力や社内外との協働能力が大切だと指摘しています。

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ローソン(東京)が求める接客業(店長)の資質

コンビニエンスストアのローソンは、全国で約1万4600店舗を展開しています。店長職に求める資質は次の通りです。

  • 誠実さ: お客様との信頼関係を築くため、接客や清掃を丁寧に行い、共感力を持つことが欠かせません。
  • 行動力: 顧客ニーズを捉え、失敗を恐れず改善に挑戦する力が求められ、「計画→実行→評価→改善」のサイクルを回すことが重要です。
  • 協調性: 24時間営業を支えるチームワークが不可欠で、従業員への思いやりや成長支援が求められます。

人事企画部長の岩田泰典さんは、変化や挑戦を楽しみ、自ら考えて行動できる人材を求めていると述べています。

帝人(大阪)が求める研究・開発職の資質

素材メーカーの帝人は、日本で初めてレーヨンの生産技術を確立した企業です。研究・開発職に求める資質は以下の通りです。

  • コミュニケーション力: 顧客と共に創る「共創」を重視し、要望を理解してすり合わせる力が重要で、営業職との連携も求められます。
  • 主体性: 真面目さに加え、「自分ならではの仕事」として成長につなげる意欲が期待されます。
  • レジリエンス(弾力性): 研究結果が思うように得られなくても、心を折らずに考察や実験を重ねる力が成果につながります。

採用グループ長の今岡聖暁さんは、企業の研究・開発はチームで取り組む場面が多く、互いを尊重しながら自分の考えを発信することが肝要だと強調しています。

アシスト(東京)が求めるエンジニア(SE)の資質

ソフトウェア商社のアシストは、1972年設立の老舗IT企業です。エンジニア職に求める資質は次の通りです。

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  • 探求心: 進化が速いITを学び続け、多様な顧客の業種や業務を楽しむ姿勢が重視されます。
  • 論理的思考力: システム設計や導入時のトラブルに対し、情報を整理して仮説を立てる力が顧客の安心感につながります。
  • 顧客目線: 高度な技術も、運用負荷やコストを考慮した最適な解決策が求められ、技術は手段として捉える視点が重要です。

新卒採用担当の西川達郎さんは、SEの主な仕事は関係者との対話を通じた課題解決であり、文系出身者も研修を経て活躍していると説明しています。

企業が採用で重視する非認知能力

就職支援を手がける「ベネッセi-キャリア」が昨年実施した調査では、823社の新卒採用担当者が本選考時に重視する項目として、「人柄や性格」が59・5%で最も多かったことが明らかになりました。続いて「自社への熱意」や「汎用的スキル(思考力や問題解決能力など)」が挙げられ、これらは数値化しにくい非認知能力に分類されます。一方、「専門的スキル」や「資格」、「大学での成績」は下回りました。

調査担当者は、企業が求める汎用的スキルの具体的内容と水準を明確に伝える必要性を指摘しています。また、インディードリクルートパートナーズの栗田貴祥・上席主任研究員は、変化が激しい現代では専門知識がすぐに古くなるため、「学び続ける力」が重視されると述べています。自己分析と共に、現場で求められる資質を社員から聞くことが重要だとアドバイスしています。