三重県のカスハラ条例に罰則規定 東海労働弁護団が慎重な検討を提言
三重県カスハラ条例の罰則規定に弁護団が慎重検討を提言

三重県のカスハラ防止条例に罰則規定 弁護士団体が慎重な対応を提言

三重県が制定を目指す罰則付きのカスタマーハラスメント(カスハラ)防止条例を巡り、愛知県、岐阜県、三重県の弁護士で構成される「東海労働弁護団」が4日、罰則規定の導入に対して慎重な検討を求める声明を三重県と三重県議会に提出しました。

労働者保護は支持しつつも境界線の明確化を求める

同弁護団の樽井直樹弁護士は同日、三重県庁で記者会見を開き、「労働者を保護するためのカスハラ対策の強化自体は強く支持する」と表明しました。その一方で、「消費者からの正当な苦情との境界線が曖昧になる恐れがある」と懸念を表明し、慎重な対応を求めました。

現行刑法の活用と支援体制の整備を提言

樽井弁護士はさらに、悪質なカスハラの多くは脅迫罪や強要罪といった現行の刑法で対処可能であると指摘しました。そして、「被害を受けた労働者や事業主が民事提訴や刑事告訴をスムーズに行えるよう、県の支援体制を整備する方が実効性が高い」と具体的な提言を行いました。

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条例案の内容と今後のスケジュール

三重県が示している条例の中間案では、知事の禁止命令に従わない場合に50万円以下の罰金などを科す方針が明記されています。県は9月の県議会に条例案を提出し、来年4月の施行を目指しています。

知事の見解と今後の課題

一見勝之知事は同日の定例記者会見で、「罰則を設けることで正当なクレームが抑制されることがないよう、十分注意しなければならないと思っている」と述べました。また、そのような文言を条例案の中に盛り込んでいることを明らかにし、慎重な姿勢を示しました。

今回の提言は、カスハラ防止のための法整備が進む中で、罰則規定の導入がもたらす影響について専門家の立場から警鐘を鳴らすものです。今後の条例制定プロセスでは、労働者保護と消費者の権利のバランスをいかに取るかが重要な課題となるでしょう。

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