ネット上の誹謗中傷相談が過去最多の3989件に 被害者の泣き寝入りは続く
インターネット上の誹謗中傷投稿に関する相談が、2024年度に3989件に上り、過去最多を更新したことが明らかになった。総務省が委託する違法・有害情報相談センターへの取材で5日に判明した。2020年度に初めて3000件を突破して以来、増加傾向が続いている。
対処法施行後も削除困難 実効性確保が課題
中傷投稿への適切な対応をSNS事業者などに義務付ける情報流通プラットフォーム対処法が2025年4月に施行されたにもかかわらず、投稿削除を望む被害者の泣き寝入りは後を絶たない状況だ。同法の実効性をいかに確保するかが大きな課題となっている。
「表現の自由」に配慮しつつ、被害者救済のための具体的な仕組みづくりが急務とされる。また、削除に向けた手続きの周知徹底も欠かせない要素だ。
相談件数の推移と加害者側からの問い合わせも
センターによると、誹謗中傷投稿に関する相談件数は以下のように推移している。
- 2020年度:3000件突破
- 2023年度:3780件
- 2024年度:3989件(過去最多)
興味深いことに、近年では「誹謗中傷やプライバシー侵害の情報を発信した」と、加害者側とみられる人物からの相談も寄せられている。2024年度には106件のこうした相談があったという。
発信者特定を求める相談が大幅増加
相談者が希望する対応を見ると、「削除したい」に次いで「発信者の特定方法を知りたい」が多数を占めている。後者の相談件数は、2015年度の190件から2024年度には1571件へと大幅に増加した。
この数字は、単に投稿を削除するだけでなく、責任の所在を明らかにしたいという被害者の強い意向を反映している。匿名性の高いインターネット環境において、発信者特定の難しさが改めて浮き彫りとなった形だ。
デジタル社会の進展に伴い、ネット上の誹謗中傷問題はより複雑化している。法整備と実効性ある対策の両輪で、被害者救済の道筋を示すことが求められている。



