桑名市のカスタマーハラスメント防止条例、昨年度の相談件数は24件に
三重県桑名市は、全国で初めて氏名公表措置を盛り込んだカスタマーハラスメント(カスハラ)防止条例の施行後、初年度となる昨年度の相談件数が24件であったと発表しました。このうち、弁護士らで構成する市カスハラ対策委員会が事実関係を検証した結果、2件がカスハラと認定されました。
具体的なカスハラ事例と対応
市によると、認定された事例の一つは、運輸業者が昨年4月に経験したケースです。配送を依頼された荷物が破損したとして、客から土下座を要求され、さらに過大な弁償金を請求されました。もう一つは、昨年11月に医療機関が直面した問題で、入院患者が同室者の独り言が原因で不眠になったと主張し、過度な要求や謝罪を求めたものです。
これらの事例では、カスハラ対策委員会が詳細な検証を行い、カスハラ行為と判断しました。しかし、いずれも1回の警告で状況が改善したため、条例で定められた行為者の氏名などの公表措置は実施されませんでした。この対応は、早期の改善を促す条例の目的に沿ったものとされています。
市長の見解と今後の展望
6日に行われた定例記者会見で、伊藤徳宇市長は「相談者から感謝の声をいただいたケースもあり、条例が一定の効果を発揮していると感じている」と述べました。さらに、今後は条例の効果を継続的に検証し、必要に応じて改正を含めた見直しも検討したいと明らかにしました。
また、現在の条例では対象外となっている企業間でのトラブルについては、三重県がカスハラ防止条例の制定を検討していることを受け、県と連携して対応を進める考えを示しました。これにより、より広範なカスハラ対策が期待されています。
条例の背景と社会的意義
桑名市のカスタマーハラスメント防止条例は、客からの不当な要求や脅迫的行為から事業者を守ることを目的として制定されました。全国初の試みとして注目を集めており、今回の発表はその初期成果を示す重要なデータとなりました。
相談件数が24件に上ったことは、カスハラ問題が潜在的に存在していることを浮き彫りにしています。一方で、認定された2件が警告で改善した点は、条例が予防的機能を果たしている可能性を示唆しています。今後の動向に注目が集まります。



