東京都カスハラ調査 従業員11.9%が被害経験 防止条例施行1年で実態明らかに
都カスハラ調査 従業員11.9%被害 条例1年で実態

東京都カスハラ調査 従業員の11.9%が被害経験 防止条例施行1年で実態が明らかに

東京都は、昨年4月に施行した「カスタマー・ハラスメント(カスハラ)防止条例」の施行後1年を経て、実態調査の結果を公表しました。調査によると、過去1年間にカスハラの被害に遭ったと回答した従業員の割合は11.9%に上り、その内容では「継続的な、執拗な言動」が61.6%と最も多くを占めました。

調査の概要と回答状況

調査は昨年10月、島しょを除く都内全域の15業種から選ばれた計2万社の企業と、そこで働く従業員計3万人を対象に実施されました。有効回答は企業から4727件、従業員から3817件得られ、カスハラの実態を浮き彫りにしています。

カスハラという言葉について、従業員の88.4%が「言葉も意味も知っていた」と回答。一方、条例に定められた防止対策の責務について、企業の39.3%が「規定の存在も内容も知っていた」と答えたものの、44.5%は「存在は知っていたが、内容は知らなかった」とし、認知の浸透に課題があることが示されました。

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被害内容と企業への影響

被害に遭った従業員の内訳では、「継続的な、執拗な言動」に次いで、「威圧的な言動」が55%、「精神的な攻撃」が45%と続きました。これらの被害は、従業員の仕事への意欲ややりがいに深刻な影響を与えており、カスハラ相談を受けた企業587社のうち77%が「従業員の仕事への意欲・やりがいの低下」を報告しています。

企業の防止対策の現状

カスハラ防止に「取り組んでいる」とした企業は38.5%でした。業種別では「医療、福祉」が62%と最も高く、「金融業、保険業」57.8%、「生活関連サービス業、娯楽業」55.6%がそれに続きました。具体的な防止対策としては、以下のような取り組みが挙げられています。

  • 相談窓口の整備(65.7%)
  • 実態把握のための調査(52.9%)
  • 従業員のケア(50.9%)

一方、防止に取り組んでいない企業からは、「正当なクレームとの判断の難しさ」や「ノウハウ不足」といった理由が示され、対策の実施におけるハードルが明らかになりました。

行政への要望と今後の取り組み

行政に対しては、条例の理念を広めるための情報発信や啓発を求める声が多く寄せられています。東京都の担当者は、「リーフレットや動画なども活用しながら、具体的な行動変容につながるような発信に取り組みたい」と述べ、継続的な対策強化に意欲を示しました。

この調査結果は、カスハラ防止条例が施行されて1年が経過した中で、依然として多くの従業員が被害に直面している実態を浮き彫りにしています。企業の取り組みは進みつつあるものの、認知の向上や具体的な対策の実施にはさらなる努力が求められるでしょう。東京都は、今後も調査を継続し、効果的な防止策の推進に努めていく方針です。

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