特別支援学級で男児を別教室に複数回閉じ込め、第三者委員会が「人権を無視した行為」と厳しく指摘
横浜市立小学校の特別支援学級において、発達障害のある低学年の男子児童が興奮状態になった際、別教室に複数回閉じ込められる事例が発生し、最大で1時間半にわたり外に出られない状況が続いたことが明らかになった。同市の学校保健審議会(第三者委員会)は2026年3月25日、詳細調査報告書を公表し、この対応を「人権を無視した行為で不適切であり、課題のある対応だった」と厳しく批判した。
閉じ込め行為の経緯と詳細
報告書によると、この問題は2019年8月頃から始まった。保護者の要望を受けて、学校側は発達障害がある男児が興奮状態になった際に落ち着かせるため、「クールダウン」用の別教室を用意した。しかし、2019年11月から2020年2月にかけて、少なくとも8回にわたり、男児が他の児童や教諭にけがをさせる恐れがあると判断され、別教室に連れて行かれる対応が取られた。
そのうち6回では、教諭らがドアを押さえたり施錠したりして、男児が落ち着くのを待つ状況が続き、最長で1時間半もの間、男児が外に出られない状態が生じたという。この閉じ込め行為は、男児のきょうだいから事情を聞いた保護者が2020年3月に市教育委員会に相談したことで表面化した。
第三者委員会の見解と対応策
第三者委員会は、別教室の使用について、男児本人、保護者、学校関係者、専門家などが協議して明確なルールを策定する必要性を強調した。閉じ込める行為は「重大な問題」と位置づけ、人権侵害に当たると指摘した。学校と市教育委員会は、この問題を受けて男児に対して謝罪を行った。
また、問題を受け、市教育委員会は2025年4月に、児童・生徒の「クールダウン」実施時の留意点などをまとめたガイドラインを作成し、再発防止に取り組んでいる。このガイドラインでは、閉じ込め行為を避け、適切な支援方法を定めることが求められている。
社会的な影響と今後の課題
この事例は、特別支援教育における対応の在り方に大きな疑問を投げかけている。興奮状態の児童への対応は難しい面もあるが、人権を尊重した方法で行われるべきであり、閉じ込め行為は教育現場における深刻な課題として認識される必要がある。
第三者委員会の報告書は、学校や教育委員会に対して、より透明性の高い協議プロセスと、専門家の助言を踏まえた適切な支援体制の構築を促している。今後の取り組みが注目される。



