横浜市の特別支援学級で児童を「クールダウン室」に閉じ込め施錠 第三者委員会が人権侵害を認定
横浜市教育委員会は3月25日、2019年度に市立小学校の特別支援学級に在籍する男児が、興奮した際に教員により別室に閉じ込められ、外から施錠される事案があったことを明らかにしました。調査を担当した第三者委員会は、この行為を「人権を無視した行為」と厳しく認定し、保護者への報告がなされなかった点を問題視しています。
発達障害のある児童が6回にわたり最長1時間半閉じ込められる
第三者委員会の報告によると、当該の男児は発達障害を有しており、興奮状態に陥ると暴れることがあったとされています。学校側は保護者の要望を受けて、児童が落ち着くための「クールダウン」用の空き教室を用意していました。しかし、2019年11月から翌年2月にかけて、教員らが男児をその教室に連れて行き、ドアを押さえつけたり外から施錠したりする行為が計6回にわたって行われ、最長で1時間半にも及んだことが判明しました。
この間、学校側は保護者に対して一切の報告を行わず、事案が発覚したのは、同じ学校に通う男児のきょうだいが現場を目撃したことがきっかけでした。その後、男児は継続的な心身の苦痛を訴え、調査に対して「抵抗することができなくて、つらい思いをした」と語っています。
第三者委員会が「人権無視」と認定 保護者への説明不足を指摘
25日に開催された記者会見で、第三者委員会の委員は「他に手段がない場合に鍵をかけることがあることを個別指導計画などに明記し、同意を得る必要があったと思う。記録も残し、保護者に報告すべきだった」と述べ、学校側の対応の不備を明確に指摘しました。
報告書では、厚生労働省が介護事業者向けに示している手引を参考に、緊急時のやむを得ない身体拘束は認められるものの、本人や家族に対して十分な説明を行い、理解を得る努力が不可欠であることを強調しています。今回の事案では、そうしたプロセスが完全に欠落していたとしています。
横浜市教委が再発防止策を発表 ガイドラインの整備を進める
会見に同席した横浜市教育委員会の担当者は「とても重く受け止めている。再発防止を徹底する」と述べ、事案を深刻に受け止める姿勢を示しました。具体的な対策として、「クールダウンをする場所は本人の意思で出入りができるようにしておく」などと明記した新たなガイドラインを作成したことを明らかにしました。
この事案は、特別支援教育の現場における適切な対応と人権配慮の重要性を改めて浮き彫りにしました。第三者委員会の指摘を受け、横浜市教委は今後の指導体制の見直しと、保護者との連携強化に取り組む方針です。



