三重県で若手教員の授業力向上研修会 経験2~5年目対象に意見交換で指導力強化
三重県の若手教員研修会 授業見学と意見交換で指導力向上

若手教員の指導力向上を目指す三重県の取り組み

三重県教育委員会は、公立小中学校の若手教員の指導力強化に力を注いでいます。昨年度から、教職経験2~5年目の教員を対象に、授業を見学し、互いに意見を伝え合う研修会を実施。教員の若返りが進む中、同世代が切磋琢磨できる環境を整えています。

授業見学と活発な意見交換の現場

明和町立斎宮小学校では、国語の授業で「じどう車ずかんをつくろう」をテーマに、担任の阿部綸教諭(26)が子どもたちに車の役割と構造の関係を問いかけました。教室には、町内や松阪市、伊勢市から集まった小中学校の若手教員14人が真剣な表情で授業を見つめていました。

授業後、参加者は3~4人のグループに分かれ、授業の良かった点や改善点を話し合いました。例えば、「教科書とプリントのどちらを見るか迷っていた。1年生なら内容を絞ってもいい」「先生がわざと間違えて発言してみたり、子どもたちが発言したくなる雰囲気ができていた」といった具体的な意見が交わされました。

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阿部教諭は、「同世代の先生は授業の進め方など同じような悩みがある。意見がもらえると参考になる」と語り、研修会の効果を実感しています。

教員の年齢構成の変化と中堅層の不足

三重県内では教員の若返りが顕著です。文部科学省の学校教員統計によると、20~30歳代の教員の割合は、2013年度に小学校31.29%、中学校34.46%でしたが、2022年度には小学校48.31%、中学校46.11%に増加しました。

一方、指導的立場となる40~50歳代の教員は、2013年度に小学校67.35%、中学校64.55%と6割を超えていましたが、2022年度には小学校47.32%、中学校48.08%に減少。県教委学力向上推進プロジェクトチームの担当者は、「中堅の年代が少なく、若手教員を指導する仕組みが必要」と強調しています。

この課題に対応するため、県教委は校長経験者3人を「授業力向上アドバイザー」として派遣する取り組みも進めています。斎宮小学校の沢田泰子校長は、「校内でも教員の半数が20~30歳代で、助言する態勢作りが難しくなっている。かつては指導する環境が自然にできていたが、今は若手が研修できる仕組みが重要」と述べています。

研修会の拡大と今後の展望

若手教員からは、「子どもの発言に、どう反応すればいいのか」「1学年に1学級しかなく、授業の進め方のコツを相談できる人がいない」といった悩みの声も聞かれます。研修会はこうした課題を解消する場として機能しています。

昨年度は研修会を7回開催し延べ95人が参加、今年度は約10回で延べ約170人が参加しました。新年度も継続される予定です。福永和伸教育長は、「研修会は好評で、若手教員の指導力向上は重点課題。子どもたちの学力向上につながれば」と期待を寄せています。

三重県の取り組みは、教員の年齢構成の変化に対応し、若手の育成を通じて教育の質を高める重要な一歩となっています。

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