大阪樟蔭女子大で英語落語の名物講義、学生が伝統話芸で笑いと自信を獲得
大阪樟蔭女子大で英語落語講義、学生が笑いと自信を獲得

大阪樟蔭女子大学で英語落語の名物講義が展開、学生が笑いと自信を育む

大阪樟蔭女子大学(大阪府東大阪市)では、学生が英語で落語に挑戦する名物講義「パフォーマンスイングリッシュ」が注目を集めています。日本語でも高度な伝統話芸である落語を英語で実践し、笑いを取ることで、学生たちは言語力だけでなく、表現力や自信を大きく向上させています。

発表会で古典落語を英語で披露、観客が笑いどころで沸く

同大学のホールで開催された発表会では、袴姿の学生たちが高座に上がり、古典落語「時うどん」と「猫の茶碗」を英語で演じました。ストーリーの主要部分を抜粋し、分かりやすい単語で約5分にまとめた演目に、地域住民ら約80人の観客は滑らかな語り口に聞き入り、笑いどころではどっと沸き上がりました。

演者である3年生の山崎日瑚乃さん(20)は、終了後にほっとした表情で振り返り、「相手の反応を見ながら、伝わるように話す力が付いた気がします」と語りました。また、4年生の龍後璃果さん(22)は、「社会人になって緊張する場面があっても、『あの舞台を乗り越えたんだから』と自信を持って取り組めそうです」と、この経験が将来に役立つと強調しました。

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パフォーマンスイングリッシュ講義の背景と指導体制

この発表会は、学芸学部国際英語学科の3、4年生向け選択必修科目「パフォーマンスイングリッシュ」の成果を披露するイベントです。担当の藤沢良行名誉教授(米文学)が、プロの落語家に英語落語を演じてもらう学内イベントを開催していたところ、学生から「やってみたい」という声が上がり、2007年に授業がスタートしました。

指導には、約30年前から世界中で英語落語を演じてきた落語家の桂かい枝さん(56)が客員教授としてあたっています。学生たちは教室内に設けた高座で、自己紹介から小咄、短めの落語へと徐々にレベルを上げて訓練を積みます。特に、複数の人物が登場する落語では、顔の向きを変える「上下を付ける」動きや、セリフの緩急、扇子や手拭いの使い方など、落語特有の技法を学びます。

英語落語の教育的効果と学生の成長

藤沢名誉教授によると、英語で語るため、日本語の表現に頼らず、ストーリーや構成がポイントの演目を選んでいます。言語が変わっても、基本の動き通りに演じれば面白さは伝わるため、語学力に加えて高度なコミュニケーション術が求められます。学生たちは通学中に暗唱したり、自宅で動画を撮って分析したりと、鍛錬を重ねており、これまでに約100人が受講しました。

授業開始当初は舞台経験のある学生が多かったですが、近年は控えめな性格ながら「何かを表現してみたい」「自分を変えたい」と挑戦する学生も増えています。就職活動の面接で小咄を披露した受講生もいるといい、藤沢名誉教授は「落語は身ぶり手ぶりを交えて登場人物になりきることで表現力を養いやすく、聞き手の様子を観察する力も身につきます」と評価しています。

英語落語の国際的広がりと文化的意義

桂かい枝さんは、「言語を置き換えても笑ってもらえるのは、時代や国境を超えるユーモアとしての落語の奥深さです。ぜひ多くの学生に体験してもらい、自信を手に入れてほしい」と期待を寄せています。

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英語落語は、一般社団法人「英語落語協会」によると、1983年に上方落語家の桂枝雀さんが始めたとされています。海外公演は人気で、200~300人の観客が集まることもあり、「まんじゅうこわい」を「ハンバーガーこわい」に変更するなど、現地に合わせた工夫も凝らされています。同協会のオンライン講座には海外からの参加者もおり、鹿鳴家英楽・代表理事は「落語の庶民的な笑いはどこの国でも共感を得られます。今後も活動範囲を広げて魅力を発信していきたい」と語っています。

この講義を通じて、学生たちは伝統文化を英語で再解釈し、グローバルな視点でコミュニケーション力を高めています。英語落語は、教育現場で新たな可能性を開く取り組みとして、今後も注目されそうです。