岡本太郎の「眼」が半世紀を見つめる 京都外国語大の国際交流の場
京都外国語大学(京都市右京区)の国際交流会館内にあるカフェ「カフェタロー」では、壁一面に飾られた鮮やかな陶板画が訪れる人々を魅了している。この作品は、「太陽の塔」で知られる芸術家・岡本太郎によるもので、赤と黒の円を中心とした大胆なデザインと色彩が特徴だ。解説文によれば、作品は「向かい合った2人が、言葉より先に眼と眼でコミュニケーションを交わしている姿」を表現しており、国際交流の本質を視覚的に伝えている。
国際交流会館のシンボルとして設置
この陶板画は、国際交流会館が1980年に開館した際に設置された。当時の森田嘉一理事長が、国際交流を象徴する作品を置きたいと考え、出版社の仲介を通じて岡本太郎に制作を依頼した。岡本は縦横5メートルという大型の陶板画の設置場所にもこだわり、当初はロビーに配置されていた。その後、ロビースペースがカフェに改装され、店は岡本の名にちなんで「カフェタロー」と命名された。
半世紀を超える交流の場としての役割
設置から約50年が経過した今、カフェタローは学生や留学生、教職員らが集う活気ある空間となっている。大学の広報担当者は、「この作品はコミュニケーションを表しており、『言語を通して世界の平和を』という建学の精神に通じるものです。学生たちには、作品を通じて人と向き合い、言葉や異文化を理解する大切さを感じてほしい」と語る。陶板画は単なる装飾ではなく、国際理解と対話の促進を促すシンボルとして機能し続けている。
岡本太郎の芸術と教育理念の融合
岡本太郎の作品は、その独創的なスタイルで国内外で高く評価されているが、この陶板画は特に教育機関における国際交流の場に深く根付いた例と言える。カフェタローを訪れる人々は、作品の前で会話を交わし、異文化への関心を高めている。このように、芸術と教育が融合した空間は、京都外国語大学の多様性と平和への取り組みを具現化しており、地域の文化的資産としても価値が高い。
今後も、カフェタローは岡本太郎の「眼」が見守る中、新たな世代の国際交流を支える場として発展していくことが期待される。



