女子大継続の決意語る 岐阜女子大と椙山女学園大、理事長インタビュー
女子大継続の決意語る 岐阜女子大と椙山女学園大理事長

社会 女子大継続の岐阜女子大学と椙山女学園大学、理事長インタビュー 2026年5月31日 05時10分 (5月31日 05時10分更新)

「女子教育に徹することが役割」華陽学園・杉山博文理事長

岐阜女子大を運営する学校法人・華陽学園の杉山博文理事長は5月28日、本紙のインタビューに応じた。主なやりとりは次の通り。

―全国的な女子大の共学化・募集停止の動きをどう受け止めているか

今の共学化の流れは、子どもの数が減り、女子だけでは経営が成り立たない大学が増えているためだ。経営状態を考慮して共学化すること自体は否定しないが、教育が何のためにあるのかを考えると、岐阜という地方で生まれた大学として、地方の人材育成をするのが岐阜女子大の元々の道。地域を生かすために、女子教育に徹することが私たちの役割だ。女子大という言葉にこだわるのではなく、女子教育にこだわりたいと思っている。

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―なぜ今、女子教育が必要と考えるか

岐阜女子大は、2009年に沖縄女子短期大学と姉妹校提携し、沖縄にサテライトキャンパスがある。沖縄は離婚率が全国的に見ても高く、母子家庭も多い。こうしたバックグラウンドから、資格を取り、女性一人でも生きていけるような教育が求められている。これは岐阜を始めとした地方でも同じことだ。自立した女性を育てるために、共学ではできない教育もある。京都女子大や椙山女学園大のように女子大を堅持する宣言は出せていないが、女子教育を大切にする姿勢に変わりはない。

―共学校とは異なる岐阜女子大の特色とは

建築や教育のほか、中部地方では少ない「書道専修」や被服学に強い家庭科教員の養成などもある。間隙を縫うような狭い形だが、日本の何%かの学生に関心を持ってもらえたらいい。入学定員を減らしたことから、収容定員の充足率は上向きつつある。いろいろと手を打っている。

―学生の地元就職率が高い

私たちには基本的人権があり、どこに住むかやどんな教育を受けるかの自由がある。何を選んでもいいが、先祖が生きてきた土地や、田舎に根付く文化をそんなに簡単に見捨ててよいものか。食料自給率の問題なども考えると、岐阜女子大は地方を生き残らせたい。地方の生活や文化を残したい。人口減少は仕方のないことで、私立大は女子大以外も厳しい。共学化したからといって、うまくいくものでもない。こうした流れの中でも、子どもたちには質の高い教育を受けて、コミュニケーション能力を身に着け、外国の文化をいかに受け入れるかを学んでほしい。私たちの知らない未来を生きていく子どもたちのために、わずかながらでも寄与することができたら良いと思っている。

「個性をより際立たせていく」椙山女学園・椙山泰生理事長

女子大を堅持する方針を掲げた「椙山女学園女子教育宣言」を発表した学校法人椙山女学園の椙山泰生理事長は5月19日、本紙のインタビューに応じた。主なやりとりは次の通り。

―なぜ宣言を発表したか

金城学院大さんが共学化を表明され、椙山女学園はこれからどうなるんだろうかとか、学校の内外で疑問に思っている方もいた。生徒や学生、保護者や卒業生、この周辺の方々、学校に入ってくるかもしれない方々、そして中部圏・東海地域の皆さまに、われわれはこれからも同じ方針で、女性の教育に特化した教育機関として、大学まで続けていきますということをお伝えしたかった。

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―宣言にはどのような意図があったか

これから椙山女学園に入ってくる子たちも、そういう学校だと認識をして入ってきてもらえる。例えば、途中で女子大じゃなくなるのかってことは「心配しなくていいですよ」っていうことでもあったりする。

―近年、女子大にかかわらず、私立大は少子化の問題もあり、学生を集めるのも難しいのでは。今後の経営についてどのように考えているのか

どうやって私立大学として継続していくのかということに関して、学校の経営統合や共学化は、見た目では分かりやすい手段かもしれないが、そのことによって失われるものもたくさんあるというふうに考えている。教育を男性が独占していた時代から、ニーズは変わってきていると思うが、社会での女性の地位や社会参画、意思決定の参加には現状、課題が残っている。それをどうやって超えていくのかということについて、少なくとも東海地域の中の教育の多様性という意味では女子の教育機関があった方がいい。卒業生や在学生から、女子の教育機関として続けてほしいという声も非常に強い。

―他の女子大が共学に転じることをどう考えるか

女性向けだった教育を男性にも開放する意義は一定あるが、学生の募集や生き残りという点に関して、(共学化が)特にプラスに働くという理解はしていない。違う手段で経営的にうまく回るようにするやり方は、不可能だと思っていないので、努力の方向性が違うだけと感じる。まだできることはたくさんある。

―どのような女子大を目指していくか

われわれは、女性のための学校であり、それによって作り上げてきた伝統的な教育やプログラムの内容がある。それを大学としては個性として発揮していき、小中高でも個性をより際立たせていく方向で、魅力を打ち出していきたい。