与野党は、通信制高校の運営改善を目的として、今国会で高校定時制・通信教育振興法を改正する方針を固めた。不登校生徒の受け皿として学校数が急増する中、出席確認なしで単位を認定するなどの不適切な運営が問題視されていたためだ。改正案の柱は、学校設置者の責務として管理運営体制の整備などを明記することである。
9党が協議、今国会に改正案提出へ
自民党、日本維新の会、国民民主党、中道改革連合など9党の実務者が11日、国会内で協議し、今国会に改正案を提出する方針を確認した。同法の抜本改正は、1953年の制定以来初めてとなる。
現行法の前提と改正の方向性
現行法は、働きながら学ぶ「勤労青年」への教育を前提としていた。改正案では、不登校の経験など「多様な生徒の特性に配慮」することを明記。学校設置者の責務として、管理運営体制の整備や教員研修計画の策定・実施を定める。さらに、文部科学相に対し、通信教育の適正な実施を確保する基本指針の策定も求める。
背景にある通信制高校の問題
法改正の背景には、通信制高校の運営に関する問題が頻発していることがある。具体的には、学習指導要領が定める授業への出席を確認せずに単位を認定したり、面談指導の回数が不足したりするケースが相次ぎ、教育の質を維持することが課題となっていた。
通信制高校の急増と今後の見通し
通信制高校は、デジタル技術の普及を背景に、不登校生や中退者の受け皿として需要が高まっている。文部科学省によると、2015年度には学校数237校、生徒数約18万人だったが、25年度には333校、約30万5000人に急増。高校生の10人に1人が在籍している計算だ。近年は私立が通信制に参入するケースが多く、今年度から通信制を含む私立高校の授業料が実質無償化されたことを受け、生徒数のさらなる増加が見込まれている。



