立命館大学や関西学院大学などの研究グループは、大学生が公務員を志望する際の傾向を明らかにした。女性、親が公務員、三大都市圏以外の地方出身者といった特徴が見られるという。国家公務員や自治体職員の志願者が減少する中、全国的な傾向分析はほとんど行われておらず、今回の調査結果は採用活動の参考になると期待されている。
調査の概要
調査は立命館大学の柳至教授(行政学、地方自治論)を中心に、関西学院大学、筑波大学、大阪経済大学の研究者らが共同で実施。2023年6月から11月にかけて、国家公務員総合職の合格者数が多い国公私立大学19校を選び、進路が未定の学生2643人から回答を得て解析した。
主な傾向
性別
女性は男性よりも公務員を志望する傾向が強かった。性別そのものよりも、安定志向が強く地元の国公立大学に在籍する学生が多いことが影響しているとみられる。
家庭環境と出身地
親が公務員であること、または親が大学卒業未満であること、学生自身が首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、関西(大阪、兵庫、京都、奈良)、中京(愛知、岐阜、三重)以外の出身であることも、公務員志望と相関していた。
意識と性格
志望者は高い収入を重視せず、公共の利益に奉仕する意識や高い倫理観を持つ傾向がある。一方で、性格はあまり外向的・開放的とは言えない面があった。また、働きがいやワーク・ライフ・バランスを重視するかどうかとは明確な関連は見られなかった。
回答者の内訳
回答者の約95%は文系学生だったが、理系との間に大きな差はないという。
公務員志願者の減少
人事院や総務省の調査によると、国家公務員総合職の志願者は2023年度に1万8386人で、2012年度から6724人減少。一般職(大卒)も1万3325人減の2万6319人だった。地方公務員も同時期に20万1662人減の39万9199人と大幅に減少しており、社会全体の人手不足の中、多様な職種を抱える公務員の志願者確保は重要な課題となっている。
今後の展望
研究グループは公務員に採用が決まった学生の追跡調査も進めており、柳教授は「公務員に関心がある学生の属性や意識をデータで示せた。実際の採用や定着につながるか検証し、採用広報や制度づくりの参考にしてほしい」と話している。



