同志社中学校の2科目入試で出願者数が過去最多の539人に、教育改革が評価される
同志社中2科目入試で出願者数が過去最多539人

同志社中学校の2科目入試で出願者数が過去最多539人に達する

関西地域の中学受験解禁日である1月17日、同志社中学校・高等学校(京都市)において2026年度入学試験が実施された。同校は2012年度に外部入学定員を220人に設定し、2023年度からは試験科目を国語と算数の2科目に絞り、男女別定員も廃止するなど、積極的な入試改革を推進してきた。今回の出願者数は539人に上り、現在の定員制度が導入されて以降、最多となる記録を更新した。試験当日の受験生や保護者の様子を詳細にリポートする。

暖かな朝に迎えられた受験生たち

この日の京都市の最高気温は16度と予想され、1月としては比較的暖かな朝を迎えた。考査会場である「立志館」の中央門は7時50分に開門されたが、7時半頃から既に保護者に付き添われた受験生の姿が見え始めた。教職員が校門前で丁寧にあいさつしながら受験生を迎え入れる光景が印象的だった。

7時50分を過ぎると、続々と受験生らが門をくぐり始めた。前泊したと思われるキャリーケースを持った家族の姿も見受けられた。8時20分頃まで、電車の到着に合わせて人の波が続き、会場入りが着実に進んだ。当日の実際の受験者数は513人であった。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

校門を入った後、保護者が同伴できるのは立志館の手前までと制限されていた。拡声器を通じてスタッフが考査票を手元に用意するようにアナウンスすると、多くの保護者が子供と一緒に最終確認を行う姿が見られた。「鉛筆、持ったか」「名前と番号、ちゃんと書きや」といった声がけや、ハイタッチをして「いってらっしゃい」と送り出す保護者の様子も多く、受験生が校舎に入るまでスマートフォンで撮影する光景も頻繁に見られた。その後、保護者たちは試験終了まで、学校が用意したカフェテリアやチャペルでの待機を余儀なくされた。

きめ細かい配慮が行き届いた試験運営

8時20分、立志館の入り口では職員2人が受験生を迎えていた。壁には受験番号と教室の階数が掲示され、職員は「自分が何階か確認してください」と繰り返しアナウンスし、迷っている受験生には直接声をかけるなど、細やかな対応が行われた。

着席15分前の8時30分には、8割方の受験生が着席し、館内放送が流れ始めた。コートやマフラーは椅子の背に掛けること、膝掛けの使用が許可されることなど、寒い時期ならではの気遣いが感じられる内容であった。机の上に出してよいのは考査番号票と鉛筆、消しゴム、鉛筆削りに限られ、シャープペンシルの使用は禁止された。ただし、鉛筆を忘れた人は考査監督に申し出れば借りられることなども放送で伝えられた。

入試広報室の責任者である園田毅教諭によると、これらの放送は事前の問い合わせ事項を基に、受験生が安心して試験に臨めるように配慮して実施されているという。8時45分にはチャイムが鳴り、考査監督が各教室に入室した。廊下側の窓を閉める、受験者の番号照合や出欠確認など、監督への指示も放送を通じて行われ、試験問題の配布が完了すると、各監督が持参した端末に入力することで情報が本部に送信され、本部が放送で指示を出す仕組みが取られた。

園田教諭は、放送による進行は1990年頃から始められており、問題配布のタイミングが教室によってずれるのを防ぐ配慮から導入されたと説明する。考査番号と名前を書く指示などの後、試験開始の放送が流れ、9時から国語の試験が開始された。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

保護者の待機場所と試験終了後の光景

保護者が待機するカフェテリアには、6人がけのテーブルが並べられ、約200人が適度な間隔をあけて座っていた。話し声はほとんど聞こえず、多くの保護者がスマートフォンや本を見ながら静かに待機していた。

試験終了は11時とされていたが、20分ほど前から外に出る保護者が現れ始め、5分前にはほとんどが表に出て、立志館の出口を心配そうな表情で見つめていた。11時5分過ぎ、受験生が退出してくると、手を挙げて合図する保護者の顔を見てほっとした様子でため息をつく子供も見られた。「お疲れさま」「おなか空いたでしょ」とねぎらいの言葉をかけて出迎える姿が多く見受けられた。

個性豊かな教育が評価される背景

試験内容については、国語が長文読解中心、算数が小学校高学年の内容を網羅した問題で構成され、園田教諭によれば「基礎的学力を測るもので、中学での学習に引き続き必要な知識・思考力を検査しており、従来と同じ内容・傾向で作成しています」とのことである。

関西の2026年中学受験動向について、園田教諭は、公立一貫校や有名進学私立中を含め、出願数が減少した学校が多いと指摘する。背景には少子化に加え、受験生の安全志向が強まり、受験校を絞って併願を減らしていることが考えられるという。また、偏差値一辺倒ではなく、教育内容に特長のある学校に人気が集まるなど、多様化が進んでいることも見逃せない。

こうした状況の中、同志社中学校への出願者数は過去最多を記録した。園田教諭は「2024年から連続して500人を超えています。特に和歌山を除く関西5府県からの志願者は2025年、2026年と連続して過去最多の400人を超えました」と説明する。「2025年は愛知県を始めとする東海地区で公立中高一貫校入試が始まり、それに伴う私立中学入試日程の大幅変更によって出願者が減りましたが、2026年は東海3県からの志願者が再び増加しています」と付け加えた。

これらの要因について園田教諭は、同校独自の教科センター方式授業や、年間300を超える放課後・休暇を利用した課外授業「学びプロジェクト」の実施、年間20以上の「国際交流・英語研修」の実践など、「個性豊かな学校づくりが評価された」と受け止めている。

「これからの時代は、不透明で予測不可能な変化が訪れると言われています。同志社の創立者・新島襄が生きた時代もそうでした。新島襄は日本が大きく変わる中、世界へ飛び出してそれまでの日本になかったキリスト教主義による良心教育を実現する学校を作りました。『常識』に疑問を持ち、前例にないことを考え、挑戦を続けました」と、園田教諭は同校の伝統を振り返る。

そして、「この春、入学される皆さんにもぜひいろいろなことに興味・関心を持ってほしい。特に中学生時代には、たくさんの新しい経験をしてほしいと願っています。同志社中学校は、新たな経験に挑戦できる機会をたくさん用意して、皆さんを待っています」と締めくくった。