高校生自死問題で再調査委員会が厳しい見解 12件のいじめを認定
東海大福岡高校(福岡県宗像市)の剣道部員だった2年生の男子生徒が2021年に自死した問題で、福岡県の再調査委員会(委員長・伊藤巧示弁護士)は3月13日、詳細な調査報告書を服部誠太郎知事に提出しました。報告書では、複数の先輩からわいせつ行為を受けるなど、計12件のいじめ行為があったことを明確に認定しています。
粘着テープで固定されわいせつ行為 動画がSNSで拡散
報告書によると、男子生徒は1年生当時、複数の部員から部室内で身体を粘着テープで固定され、下着を下ろされてわいせつな行為を受けたとされています。さらに、この様子を撮影した動画がSNSで拡散されるという深刻な事態が発生していました。
委員会は、このわいせつ行為以外にも以下の行為をいじめとして認定しました:
- 男子生徒のスマートフォンを没収する行為
- 男子生徒のスマホを使って女子生徒にLINEを送る行為
- スポンジ製バットでたたく行為
- ひもで腕を縛る行為
- 平手打ちする行為
自死の原因は複合的要因 いじめの心理的影響を指摘
わいせつ行為から約1年9カ月後に男子生徒は自死に至りました。報告書は「いじめ行為のみを直接的な原因と断定することはできない」と結論づけつつも、いじめが男子生徒の心理に長期的に作用した可能性は看過できないと強調しています。
自死に至った背景として、報告書は以下の複合的要因を指摘しています:
- 複雑な家庭環境
- 顧問教諭との信頼関係の喪失
- 自尊感情の低さ
学校の危機管理は「機能不全」 いじめ認識の不足を批判
学校側の対応について、報告書は厳しい批判を展開しています。管理職へのいじめに関する報告義務などのルールが現場に浸透せず、危機管理体制が完全に機能不全に陥っていたと指摘しました。
さらに、いじめに対する認識不足が「いじめの発生と深刻化を許容する結果となった」と判断。学校側の不十分な対応がいじめの長期化とエスカレーションを招いた可能性を示唆しています。
この問題をめぐっては、同校に対する訴訟も進行中であり、教育現場のいじめ対策の在り方が改めて問われる事態となっています。報告書の提出を受け、県教育委員会と学校側は再発防止策の徹底が求められることになります。



