岐阜県がLRT構想の検討会を設置へ 知事と民間事業者に温度差
岐阜県の江崎禎英知事は11日、県議会3月定例会の一般質問において、次世代型路面電車(LRT)構想を巡り、検討会を設置することを明らかにしました。この検討会は23日に設置され、岐阜市や羽島市、名古屋鉄道、岐阜乗合自動車の代表者などで構成されます。
検討会の目的と課題
江崎知事は「バスと組み合わせ、市街地から郊外まで地域全体の最適な公共交通網のあり方を検討していただく」と述べ、検討会の初会合では、岐阜市を中心とした公共交通の経緯や現状、そして「20年、30年後のまちに求められる公共交通の姿について」が議題となる見通しです。
検討会には有識者として岐阜大学の倉内文孝教授、出村嘉史教授、名古屋大学の外山友里絵特任助教が参加し、国土交通省の中部地方整備局と中部運輸局はオブザーバーとして加わります。
運行開始の不透明さと財政的課題
江崎知事が昨年7月に打ち出したLRT構想は、約9カ月を経て本格的な議論が始まりますが、岐阜市や名鉄など関係機関の協力がどれほど得られるかは未知数です。知事が掲げる「10年後」の運行開始は不透明な状況が続いています。
LRTの整備には、軌道の設置や土地の取得などのため、沿線自治体の都市計画決定が必要です。江崎知事自身も「県は基本的には提案する立場」と認めており、岐阜市と羽島市が主体的に進める必要があります。しかし、岐阜市の柴橋正直市長は財政のやりくりや既存インフラへの影響など複数の懸念を挙げています。
事業費は1千億円を超えるとみられ、県の財政も厳しい状況にあります。江崎知事は国の補助金のほか、民間資金の活用に意欲を示していますが、実現への道のりは険しいと言えます。
民間事業者の参加難航
検討会には名鉄など民間の交通事業者も参加しますが、関係者によると、担当者レベルの話し合いでは参加の取り付けすら難航しました。名鉄は名古屋駅一帯の再開発計画の見直しを余儀なくされており、関係者は「どう影響して、どういった立場で臨んでもらえるかが見えない」と気をもんでいます。
江崎知事は議会終了後の取材で「将来に向けてどういう街にしていくか、という議論になる」と説明し、検討会を通して関係者が同じ方向を向くことに期待を示しました。しかし、現実的な課題が多く、LRT構想の実現にはまだ多くのハードルが待ち受けています。



