郵便事業の苦境、構造改革が不可欠 全国一律サービス維持へ
郵便事業の苦境、構造改革が不可欠 全国一律維持へ

郵便事業の苦境 積極的な構造改革が不可欠だ

国民生活を支える基盤であるにもかかわらず、郵便事業が苦境から抜け出せない。全国一律サービスを維持するには、踏み込んだ構造改革を進めることが不可欠だ。

デジタル化の進展に伴う郵便物の減少によって、日本郵政の郵便・物流事業は2023年度から3年連続で営業赤字に陥っている。こうした状況を受け、26~28年度の中期経営計画として、構造改革策を打ち出した。

郵便などの集配拠点を500か所減らして2700か所に集約し、社員も約1万人減らす。赤字が慢性化している現状を踏まえれば効率化は避けられないだろう。

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約2万4000か所の郵便局は維持するが、半日営業を拡大するなどして人件費を抑えていくという。サービスの大幅な低下を招かぬよう工夫することが大切だ。

手紙やはがきは、国民が情報を伝える上で基礎的なサービスだが、現状は厳しい。SNSの普及などに伴い、郵便物数はピークだった01年度の263億通から半減した。28年度には105億通まで落ち込むと予測している。

28年度の郵便・物流事業の赤字は、1730億円に膨らむ見通しだというから深刻である。

日本郵政は、効率化に加えて郵便料金の値上げも検討するという。しかし、大幅な値上げは24年10月に行われたばかりだ。効率化の努力を徹底し、説明を尽くさなければ、かえって郵便離れを加速させる結果になりかねない。

郵便事業は法令で、配達頻度や投函から配達までの日数、ポストの数などが定められている。

コスト削減に向けて、日本郵政は、こうした義務が緩和されることを望んでいる。利用実態を丁寧に点検し、総務省側と議論を深めていくことが求められる。

郵便局は、手紙など私的な郵便物だけでなく、証明書交付など自治体の窓口業務を担う例も増えている。地方では金融機関の店舗の統廃合が進み、郵便、貯金、保険のサービスを一体で提供する生活インフラの役割も増している。

郵便事業の改革と併せて、グループ全体の経営改善策にも取り組んでいくことが重要だ。不動産や物流などの成長分野を強化し、収益力を高めていきたい。

郵政グループでは、近年、配達員の点呼業務の不備や顧客情報の不正流用など不祥事が相次いでいる。国民の理解を得ながら構造改革を進めるためには、企業統治を立て直し、法令順守体制を徹底していく必要がある。

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