山陰線益田―出雲市間の赤字年32億円、沿線5市とJR西が利用促進協議会を設立
山陰線赤字年32億円、5市とJR西が利用促進協議会設立

山陰線益田―出雲市間の深刻な赤字問題、沿線5市とJR西が連携で対策へ

JR山陰線の益田駅から出雲市駅間において、利用者の減少が続く中、沿線の5つの市とJR西日本が共同で利用促進協議会を設立しました。この動きは、同区間の深刻な赤字問題と輸送密度の大幅な減少に対処するための重要な一歩と位置づけられています。

年32億5000万円の赤字と輸送密度4割減の現状

JR西日本によると、益田―出雲市駅間の2022年度から2024年度までの平均赤字額は、約32億5000万円に達しています。これは、沿線自治体にとって看過できない規模の財政的負担となっています。

さらに、2024年度の輸送密度、すなわち1キロメートルあたりの1日平均利用者数は868人でした。この数字は2010年度と比較して、約40パーセントも減少しており、鉄道利用の衰退が明確に示されています。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

高速道路開通によるさらなる危機感

今年3月には、浜田市と益田市を結ぶ山陰道三隅・益田道路の一部区間が開通しました。この高速道路の整備により、鉄道利用者のさらなる減少が予想されることから、沿線自治体とJR西日本は緊急の対策が必要と判断しました。

協議会には、出雲市、大田市、江津市、浜田市、益田市の5市が参加しています。これらの自治体は、鉄道の存続が地域の活力維持に不可欠であるとの認識で一致しています。

設立総会での首長たちの決意表明

4月13日に島根県浜田市役所で開催された設立総会には、5市の首長やJR西日本、県の関係者らが出席しました。浜田市長の三浦大紀氏は、「利用者減少でこのままでは地域の活力が失われかねない強い危機感がある。連携することで大きな力を生み出せる」と述べ、協議会設立の意義を強調しました。

三浦市長は会長に選出され、今後の活動を主導していくことになります。また、出雲市長の飯塚俊之氏は、「きれいな海が見える車窓や瓦の風景はインバウンドにとっても訴求力がある。山陰線全体が活性化できるように取り組んでいきたい」と意気込みを語り、観光面での可能性にも言及しました。

今後の取り組みと期待される効果

協議会では、以下のような具体的な活動を計画しています:

  • 沿線住民に対する鉄道利用の意識醸成キャンペーン
  • 路線の魅力を発信するためのプロモーション活動
  • 観光資源と連携した利用促進策の検討
  • 持続可能な運営に向けた財政支援の模索

これらの取り組みを通じて、山陰線の利用者増加と赤字削減を目指す方針です。地域の交通網を維持し、経済的・社会的な基盤を強化することが、協議会の最大の目標となっています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ