帝国データバンクが11日に発表した調査によると、2026年3月末までの1年間における米穀店の休廃業や解散の件数は75件となり、3年ぶりに減少した。これはコメ価格の高騰により多くの店舗が一時的に黒字化したことが主な要因とされる。しかし、足元ではコメの供給過剰による値下げ圧力が強まっており、再び廃業が増加する可能性があると指摘されている。
廃業件数の内訳と原因
75件の内訳は、卸売業が30件、小売業が45件となっている。廃業の主な原因としては、後継者不足や販売先である地域の飲食店の撤退が挙げられる。特に、地方の小規模店舗では後継者問題が深刻で、事業継続を断念するケースが相次いでいる。
「令和の米騒動」の影響
2024年に発生したいわゆる「令和の米騒動」では、スーパーからコメが消え、在庫の販売価格が急騰した。この際、価格を問わず購入したい消費者や外食業者が、独自の仕入れルートを持つ米穀店に殺到した。帝国データバンクの担当者は「この現象が資金繰りに窮していた店舗を一時的に存続させた」と説明している。
企業の損益状況
損益状況が確認できた約400社のうち、今年4月時点で約8割の企業が前年度から増益を記録した。これはコメ価格高騰の恩恵を受けた結果である。
今後の懸念材料
しかし、農林水産省のデータによると、3月末時点のコメの民間在庫量は前年同月比97万トン増の277万トンと高水準にある。高値で買い付けた在庫を売り切るため、卸売業者などは値下げを余儀なくされており、この状況が続けば再び廃業が増加する懸念がある。



