岐阜県白川町と東白川村の基幹バス路線、来年3月末で廃止決定
濃飛バス(岐阜県高山市)が、同県白川町と東白川村で運行する全2路線を2026年3月末で廃止することが明らかになった。運転手を確保できる見通しが立たないことが主な理由で、地域の交通網に大きな影響を与える見込みだ。
廃止対象の路線と利用状況
廃止されるのは以下の2路線である。
- 白川東白川線:白川町の白川病院と東白川村の越原消防センターを結ぶ路線
- 白川中央線:白川町のJR高山線下油井駅とゲンキー加茂白川店などを結ぶ路線
これらの路線は最大で1日7往復運行されており、白川中央線は平日のみの運行となっている。2025年には延べ約2万人が利用しており、JR高山線につながる基幹路線として、高校生の通学にも活用されていた。
運転手不足が深刻化、過去にも減便を実施
濃飛バスによると、2路線の運行には白川町に配置された運行管理者1人と運転手4人が従事していた。しかし、このうち2人が定年を超え、数年前から新たな運転手を募集しているものの応募がなく、欠員時には下呂市の営業所から応援に入っていた状況だった。継続的な運行が困難と判断し、2026年3月末での廃止を決断したという。
同社の有路秀彦経営企画部長(52)は「地域のために運行を続けてきたが、苦渋の決断となった。十分な代替策を検討してもらえるよう、1年前に両町村に申し入れた」と説明している。
過去にも人手不足の影響は大きく、2016年には当時の4路線を大幅に減便し、2018年には2路線に改編するなど、運行体制の縮小を余儀なくされてきた。
両町村の対応と財政支援の実態
白川町と東白川村は、バス減便を機に協議会を設置し、地区のコミュニティバスや高校生の登下校時間に合わせたJR接続便のバスなどを運行してきた。また、濃飛バスの運賃を一定に抑えるため、不足分として両町村で毎年計約6千万円を補填しており、財政的な負担も軽くない。
濃飛バスの水野敏秀社長は3月中旬に両町村を訪れ、佐伯正貴町長と今井俊郎村長に廃止の意向を伝えた。佐伯町長は「ここまでよく維持してもらった。町営のバスを活用するなど補完方法を考えたい」と述べ、代替交通の確保に前向きな姿勢を示した。
一方、22日で任期満了となる今井村長は「村民が動揺しないように代替案を考えるよう、次期村長に伝える」と話し、後任への引き継ぎを重視している。
今後の課題と地域交通の行方
今回の廃止決定は、地方における公共交通の維持がますます困難になっている実態を浮き彫りにした。運転手不足は全国的な課題であり、岐阜県内でも同様の事例が増える可能性がある。
両町村は今後、協議を重ねて代替交通の具体案を検討することになるが、高齢化や人口減少が進む地域では、持続可能な交通手段の確保が急務となっている。地域住民の移動手段をどう守るか、自治体と事業者の連携が試される局面だ。



