授乳に我慢は必要?職場の搾乳室不足、女性が声を上げづらい現実
授乳に我慢は必要?職場の搾乳室不足の現実

連載「授乳に我慢は必要ですか」の第一回として、職場における搾乳環境の現状を深掘りする。復職シーズンを迎える春、多くの母親が胸の張りを我慢しながら働いている。母乳がたまると乳腺炎のリスクが高まり、搾乳室の必要性が叫ばれているが、社会全体の認知度は低く、女性が声を上げにくい空気が存在する。

トイレで母乳を流した経験

東京都世田谷区役所では、昨年末から来庁者向け授乳室を職員の搾乳にも利用可能にした。きっかけは昨年2月の区議会での議員質問。ある女性職員が「痛みを我慢しながら昼休みにトイレに駆け込み、搾乳機で搾乳し、母乳を流していた」と告白した。彼女は「どうしたらいいか分からず、人に聞くことも恥ずかしく、一人になれる場所がなかった」「焦りながら息をひそめ、なぜか悪いことをしている感覚だった」と振り返る。もし環境が整っていれば、授乳を諦めずに済んだかもしれないという。

アンケート結果が示すニーズ

区は昨年春、過去4年間に育児休業から復職した女性職員155人にアンケートを実施。21%が「勤務時間中に搾乳が必要になった経験がある」と回答し、65%が搾乳スペースの必要性を訴えた。また、約8割が「搾乳の必要なタイミングは日によって変わる」と答え、区は1日90分の「育児時間」を柔軟に使えるよう、事前申請制から事後申請も認める制度に変更した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

具体的な設備改善

本庁舎の東棟・西棟に計4カ所ある授乳室には「搾乳にもご利用いただけます。(職員も利用させていただきます)」と表示を追加。4月からは搾乳した母乳を安全に保存するため、鍵付き冷凍庫を設置した。3人の子どもを持つ50代の女性職員は「もし私の時にあったら使っただろう」と語る。

専門家の指摘

専門家は、搾乳の必要性を女性が訴えづらい社会的風土を問題視する。我慢が当たり前とされる環境が、女性のキャリア継続や健康に影響を与えている。世田谷区の取り組みは一歩だが、全国的な認知と制度整備が急務だ。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ