埼玉県内公示地価、約7割で上昇 南部中心に上昇基調続く
国土交通省は3月17日、埼玉県内の公示地価(1月1日時点)を発表した。調査結果によると、県南部を中心に上昇基調が続き、調査地点全体の約7割で価格が前年より上昇した。昨年1月に県道陥没事故が発生した八潮市では、住宅地、商業地、工業地の全てで前年を上回る結果となった。
住宅地の動向
住宅地では、調査した1010地点中、約7割に当たる701地点で地価が上昇した。前年比の平均変動率は昨年と同じ2.0%で、5年連続のプラス(価格上昇)を記録している。
県南部は東京都内への交通の利便性から人気が高く、北部では熊谷市のJR高崎線熊谷駅や籠原駅から徒歩圏内の地域を中心に、深谷市と本庄市でも平均変動率が上昇した。
市町村別では、杉戸町が前年のマイナス(価格下落)からプラスに転じた一方、久喜市と毛呂山町は横ばいからマイナスに転じた。前年に続き、さいたま市浦和区のJR浦和駅西口の地点が、価格と変動率の両方でトップとなった。
商業地の動向
商業地では、223地点中、約8割の171地点で価格が上昇した。さいたま市大宮区のJR大宮駅西口の地点は1平方メートルあたり520万円と、35年連続で1位を維持した。1平方メートルあたりの最高価格が500万円を超えたのは、1995年以来31年ぶりのことだ。
さいたま市大宮区や川口市を中心に、店舗やオフィスの需要の高まりが続き、平均変動率は前年比0.4ポイント増の3.2%で、5年連続のプラスとなった。
地点別の変動率では、川口市のJR川口駅東口の地点が、昨年5月に商業施設「三井ショッピングパーク ららテラス川口」が開業したことを受け、12.0%で首位を獲得した。
工業地の動向
工業地では、調査した44地点全てで価格が上昇し、平均変動率は3.6%だった。インターネット通販などの事業者で業績が好調なため、川口市、戸田市、三郷市など首都高速道路や外環自動車道に近接する地域を中心に、倉庫や工場などの需要が堅調に推移している。
八潮市の全地点で変動率プラス
陥没事故の影響が懸念された八潮市では、事故現場付近の住宅地で地価の上昇幅が縮小したものの、全地点で変動率はプラスを記録した。市全体の平均変動率も4.3%と高い水準を示している。
鑑定を担当した不動産鑑定士の三田和巳氏は、「つくばエクスプレスによる都心への交通利便性の高さから、住宅地や商業地を中心に今後も上昇を維持するだろう」と指摘している。



