徳島県鳴門市教育委員会は、市内の店舗や公共施設で絵本に触れることができる「鳴門まちなか絵本図書館」の普及に力を入れている。2022年に取り組みを開始した際の登録先は21か所だったが、57か所にまで広がった。子どもらに絵本への興味を持ってもらうとともに、市民と事業所の関係を深める狙いがある。(三浦孝仁)
絵本図書館の仕組み
絵本図書館は、店舗や公共施設の一角に絵本や児童書を配置し、誰でも自由に手に取って読むことができる。今月25日時点で、銀行の支店や医療機関、飲食店など民間の46か所と公共施設11か所が参加している。登録先には、マップやチラシ、タペストリーが配布されている。
郵便局の取り組み
市内の郵便局は、市との包括連携協定に基づき12か所で登録。鳴門斎田郵便局では、「はらぺこあおむし」や、市在住の児童文学作家・くすのきしげのりさんの作品など40~50冊程度を備え、独自のカードやケースを使って貸し出しも行っている。蔵書の固定化を防ぐため、他の郵便局と連携して本をローテーションさせているという。
村越健治局長(47)は「親子連れだけでなく、子どもの頃に読んだ絵本を懐かしむ大人もいる。本をきっかけに職員との会話が弾むこともあり、顧客との関係構築に役立っている」と話す。
利用者の声
利用者からも好評で、同市の建設業者(28)は、活動に参加する美容室に長女(4)と通う。建設業者は「子どもの読書への関心を高め、待ち時間を有効に使える。絵本が身近にある環境はありがたい」と歓迎する。
活動の背景と今後の展望
この活動は、親子で気軽に読書が楽しめる環境を整えて「絵本のまち なると」を目指そうと、市教委が2022年7月に登録先の募集を始めた。施設が市内に立地し、3年以上の継続が参加の条件。登録後は絵本の購入に充てる1万円分の図書カードや掲示用のタペストリーを受け取れる。家庭で読まなくなった絵本を公民館や市立図書館など12か所で回収し、クリーニング後に絵本図書館に配架する仕組みだ。
市教委は市民の利用を促すために、絵本図書館や回収先の施設を紹介するマップも作成。今月から各館への配布を進めている。また、配架中の絵本を貸し出せるよう登録先への支援を始めた。
市社会教育人権室の藤川和洋室長は「市民と事業所双方にプラスの影響が出ている。検討中の店舗があれば、ぜひ参加してほしい」と呼びかけている。問い合わせは同室(088-686-8807)。



