はしか患者数が前年比3倍以上に急増、197人に達する
感染力が強い麻疹(はしか)の患者数が、今年に入って3月29日までで197人(速報値)になったことが、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の7日発表で明らかになりました。この数字は、コロナ禍後で最多となった前年同時期の60人と比べて3倍以上に達しており、感染拡大が深刻化している状況を示しています。
都道府県別では東京が最多、鹿児島で集団感染も
今年の累計患者数を都道府県別でみると、東京が48人で最多となっています。これに鹿児島が24人で続き、特に鹿児島市では高校の卒業式で集団感染が発生しました。患者数は3月29日までの1週間だけで30人が新たに報告されており、増加ペースが加速していることが懸念されます。
増加の主な要因として、海外の流行地域で感染した人が持ち込んだウイルスが国内で広がっていることが指摘されています。国際的な人の移動が再開される中で、輸入感染症のリスクが高まっている状況です。
ワクチン接種歴の確認が重要
はしかには抗ウイルス薬などの特効薬はありませんが、ワクチン接種で予防が可能です。公費による定期接種は1歳と就学前の計2回受けることができ、自費での接種も可能となっています。
しかし、今回の患者の約7割が、ワクチン接種1回以下か接種歴が不明となっています。JIHSの砂川富正・応用疫学研究センター長は「多くの人が2回の接種を終えるのが重要だ」と強調し、特に以下の人々に対して接種歴の確認を呼びかけています:
- 海外へ行く人
- 医療従事者
- 外国人観光客に多く接する人
麻疹は空気感染もするため、集団生活の場では特に注意が必要です。症状としては高熱や発疹、咳などが現れ、重症化すると肺炎や脳炎を引き起こす可能性もあります。
JIHSは、子どもへのワクチンの定期接種を徹底するとともに、成人でも接種歴が不確かな場合は医療機関に相談するよう促しています。感染拡大を防ぐためには、個人レベルでの予防対策と社会全体での警戒体制の強化が不可欠です。



