内閣府が実施した「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」の結果が公表され、中高生の1日あたりのインターネット利用時間が平均で5時間を超え、過去最長を更新したことが明らかになった。また、スマートフォンの所有率は9割を超え、ほぼすべての中高生がスマホを保有している実態が浮き彫りとなった。
利用時間の詳細と増加傾向
調査によると、中学生の1日あたりの平均ネット利用時間は5時間2分で、前回調査から約30分増加。高校生では5時間48分と、さらに長時間に及んでいる。特に、動画視聴とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用が全体の大部分を占めており、それぞれ平均2時間以上を費やしていることがわかった。
ネット利用時間の増加は、コロナ禍以降のリモート学習やオンラインコミュニケーションの一般化が一因とみられる。一方で、長時間利用による睡眠不足や学業への影響が懸念されており、専門家は適切な利用時間の設定や保護者の関与の重要性を指摘している。
スマートフォン所有率と利用端末の変化
スマートフォンの所有率は、中学生で91.2%、高校生で98.5%に達し、ほぼすべての中高生がスマホを利用している現状が確認された。タブレット端末の所有率も増加傾向にあり、学習用途での活用が進んでいる。一方、従来型の携帯電話(ガラケー)の所有率は1%未満と、ほぼ姿を消した。
利用端末の変化に伴い、フィルタリングサービスの利用率も上昇。中学生の約7割、高校生の約5割が何らかのフィルタリングを利用しているが、完全な規制は難しく、保護者の見守りが引き続き重要とされる。
ネット利用の目的とリスク
ネット利用の目的としては、動画視聴が最も多く、次いでSNS、音楽視聴、ゲームが続く。特に、ショート動画プラットフォームの利用が急速に拡大しており、長時間利用の一因となっている。
また、ネット利用に伴うリスクとして、個人情報の流出やネットいじめ、有害サイトへのアクセスが挙げられる。調査では、何らかのトラブルに遭遇した経験がある中高生は約2割に上り、そのうち約半数がSNS上でのトラブルを経験していると回答した。
今後の課題と対策
内閣府は、今回の調査結果を踏まえ、学校や家庭でのネット利用に関するルールづくりや、リテラシー教育の強化を促している。具体的には、利用時間の制限やフィルタリングの活用、保護者と子どもが一緒にネット利用について話し合う機会の増加が推奨されている。
また、政府は関係省庁と連携し、青少年のネット利用環境の整備に向けた施策を検討中。特に、SNS事業者に対する年齢確認の徹底や、有害情報の拡散防止策の強化が求められている。
今回の調査は、全国の中学1年生から高校3年生までの約1万人を対象に、2023年11月から12月にかけて実施された。調査方法は、学校を通じた質問紙調査とオンライン調査の併用で、回答率は約80%だった。



