政府、防衛省と最高裁で福島除染土の再生利用を拡大へ
東京電力福島第1原発事故に伴う除染で発生した土壌の再生利用を巡り、政府が月内にも防衛省(東京都新宿区)と最高裁判所(同千代田区)の敷地内で土壌(復興再生土)を使用する方針を固めたことが、14日に関係者への取材で明らかになった。この決定により、政府機関での再生利用場所は計12カ所に拡大し、新宿区での利用は初めての試みとなる。
政府機関での利用拡大と安心感の創出
現在、福島の除染土は県外では首相官邸と東京・霞が関の中央省庁9カ所の花壇などで使用されており、防衛省と最高裁判所を加えることで、利用範囲がさらに広がる。官邸と中央省庁9カ所、最高裁判所はいずれも千代田区内に位置するが、防衛省がある新宿区での再生利用は新たな一歩となる。
政府はまず、東京都心の各省庁で土壌の活用を進め、空間放射線量の測定と公表を繰り返すことで、安全性に対する安心感を創出する方針だ。これにより、地方の出先機関を含め、再生利用先を段階的に拡大していく計画である。関係者によると、防衛省と最高裁判所でも、土壌を活用して花壇を造成する予定となっている。
再生利用の現状と課題
中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)で保管されている除染土などは、合計で約1400万立方メートル(東京ドーム11杯分)に上り、このうち再生利用の対象は約4分の3を占める。再生利用は、最終処分量を削減するための重要な手段であるが、現状では官邸と中央省庁で使用された土壌は計81立方メートルにとどまっている。
このため、利用先の拡大と、より規模の大きい活用事例を生み出せるかが、今後の焦点となっている。中央省庁以外での再生利用について、石原宏高環境大臣は2月の記者会見で「私の思い」と前置きした上で、今秋までに新たな利用先を決定する考えを示している。
政府の取り組みは、福島の復興と環境問題への対応を象徴するものであり、再生利用の推進が、持続可能な社会構築に貢献することが期待される。



