環境省は、熱中症の危険性が高まった際に発表する「熱中症警戒アラート」の基準を見直す方針を固めた。現在は気温や湿度などから算出する「暑さ指数(WBGT)」のみで判断しているが、湿度や日射の影響をより詳細に考慮した新たな基準に変更する。2026年夏からの運用開始を目指す。
現行基準の問題点
現行の熱中症警戒アラートは、暑さ指数が33以上になると発表される。しかし、暑さ指数は気温や湿度、輻射熱などを総合的に評価するものの、実際の体感温度やリスクと乖離するケースが指摘されていた。特に、湿度が高い日や日射が強い日は、暑さ指数が基準に達していなくても熱中症のリスクが高まることがある。
見直しの背景
環境省は、熱中症による救急搬送者数や死亡者数のデータを分析した結果、現行基準では捉えきれないリスクがあると判断した。また、気候変動により猛暑日が増加していることも、見直しの背景にある。新基準では、湿度や日射の影響を数値化し、よりきめ細かい警戒情報を提供することを目指す。
新基準の詳細
新基準では、暑さ指数に加えて、湿度や日射量を個別に評価する。具体的には、湿度が高い場合は暑さ指数が低くてもアラートを発表する可能性がある。また、日射が強い時間帯には、特に注意を促す情報を追加する。環境省は、専門家の意見を聞きながら、具体的な数値基準を年内に策定する予定だ。
今後のスケジュール
環境省は、2026年夏からの新基準運用を目指し、2025年度中に実証実験を行う。また、自治体や気象庁と連携し、情報発信の方法も改善する。熱中症警戒アラートは、スマートフォンアプリやメールなどで配信されており、新基準でも同様の手段で迅速に情報を伝える。
環境省は「熱中症による健康被害を減らすため、より正確で分かりやすい基準にしたい」とコメントしている。今後も気候変動に対応した対策を進める方針だ。



