北極海の海氷厚さ推定に新手法、高知大など開発 温暖化予測精度向上へ
北極海の海氷厚さ推定に新手法、高知大など開発

高知大学や東京大学などの研究チームは、衛星データを活用して北極海の海氷の厚さを高精度で推定する新たな手法を開発したと発表した。この成果は地球温暖化予測の精度向上につながることが期待され、国際学術誌に掲載された。推定結果は国立極地研究所のホームページで公開されている。

新手法の開発背景と意義

地球温暖化の影響で北極海の海氷面積は減少傾向にある。海氷は太陽光の大部分を反射する性質を持ち、海氷が減少すると太陽熱が海水に吸収されやすくなる。これにより北極だけでなく地球全体の温暖化が加速する恐れがあり、正確な海氷の把握は温暖化予測において極めて重要となる。

これまで国内外の様々な機関が北極海の監視に取り組んできたが、主に人工衛星による海氷表面の面積変化の観測が中心で、厚さを高精度に推定することは困難だった。

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手法の詳細

高知大学教育学部の木村詞明准教授(気候学)らのチームは、夜間や悪天候でも観測可能なマイクロ波の観測データを活用。海氷がいつ形成され、どのように移動してきたかを分析し、実際に観測された海氷の厚さのデータを参考に、移動中の気象条件が厚さに与える影響を高精度で推定する手法を開発した。

この手法では10キロ四方のエリア内の海氷の平均厚さを推定する。さらに、移動中にエリア内で新たに生成された海氷についても計算式に組み込むことで、推定精度を向上させたという。

研究者の思い

木村准教授は海氷研究を北海道大学の大学院生時代に始めた。「何もない海が突然陸地のようになり、数日で消える。海氷がどのようにでき、成長するのかを知りたいと思い研究を続けてきた。今回の手法はこれまでの知識と経験の集大成だ」と振り返る。

今後の展望

北極海の海氷変化をより正確に把握できれば、貨物船などの航路の安全性確保や、地球温暖化予測モデルの精度向上が期待される。ホームページでは過去10年分の海氷変化をアニメーションで閲覧可能。木村准教授は「子どもたちが北極海に思いをはせ、地球温暖化に関心を持つきっかけになれば。新たな研究につながることも願っている」と期待を語った。

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