万博でフィーチャーされた「森林」への違和感が原点 漫画家と考えるみぢかな森
万博の森林フィーチャーに違和感 漫画家と考えるみぢかな森

朝日新聞の言論サイト「Re:Ron(リロン)」の片隅で、「森林論」という企画を昨年末から続けている。これまで7人に論じてもらったテーマは「みぢかな森」と「みえない森」。木こりや森林所有者、ネイチャーガイド、森林生態学者など、森に関わる人々の知覚と経験を、記者との交流を通じて言語化したシリーズだ。

企画の発端は万博への違和感

企画の発端は2024年のこと。翌年の大阪・関西万博に向けて森をフィーチャーするという出展企業・団体の発表が相次いだ。しかし、人工島に樹木を移植して森のようなものを再現したり、材木の話だったり。どこか違和感があった。

放置された森は日本中にある。気候変動にあらがい、生物多様性を守るため、身近な森と人との関係復活にフォーカスすべきでは――。そんな思いがこの企画の原点だ。

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森林業漫画家・平田美紗子さんの存在

当時林野庁勤務だった森林業漫画家の平田美紗子さんにそう話すと、欧米のベストセラー『マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険』(ダイヤモンド社)を紹介された。植物の根っこに共生する「菌根菌」の地中ネットワークを介して木々が助け合い、コミュニケーションする、と結論づけたカナダの研究者の自伝だ。面識はないが、記者の出身大学院の教授でもある。

みぢかな森の再発見

平田さんは元林野庁森林官で、現在は森林業漫画家として活動。記者を案内しながら、「みぢかな森」について考えた。彼女の視点は、森林を単なる資源や景観としてではなく、人間と共生する生命体として捉えることの重要性を教えてくれる。

このシリーズでは、これまで7人の専門家が登場。木こりは森の手入れの知恵を、森林所有者は経営の難しさを、ネイチャーガイドは観察の楽しさを、森林生態学者は地下のネットワークの神秘を語ってきた。それぞれの「みぢかな森」と「みえない森」が、記者との対話を通じて浮かび上がる。

森と人の未来

気候変動や生物多様性の危機が叫ばれる中、身近な森と人の関係をどう再構築するか。この企画は、そのヒントを探る試みでもある。平田さんのような森林官出身の漫画家が描く森の世界は、専門知識と一般読者の橋渡し役として貴重だ。

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