豊川用水の貯水率が7.7%に低下 愛知県が田植え延期を要請
東三河地域を流れる豊川用水の渇水が深刻化する中、愛知県の大村秀章知事は3月31日の定例記者会見で、流域の農業関係者に対し、当面の田植えを延期するよう要請したことを明らかにしました。この要請は3月27日付で行われ、例年4月中旬から始まる水田への取水が困難な状況にあることを示しています。
貯水率の低下と節水対策の継続
豊川用水の貯水率は、3月31日午前0時時点でわずか7.7%にまで低下しています。これに伴い、水道用水では30%、農業・工業用水では50%の節水対策が続けられており、水資源の逼迫が懸念されています。大村知事は記者会見で、「水道が止まる恐れがあり、送る水がない」と述べ、要請の理由を説明しました。
さらに、大村知事は「広い面積の水田に全部水を張る、ということは、地元の皆さんからも何をやっているんだという話になる」と付け加え、一定の理解が得られていると強調しました。この発言は、水不足の深刻さを地域社会が認識していることを示唆しています。
水の融通と導水計画の見送り
一方で、大村知事は西三河地域を流れる矢作川から蒲郡市内への水の融通を3月28日に開始したと説明しました。しかし、早ければ3月31日からとされていた天竜川水系の佐久間ダムからの導水は、この日の降雨などを考慮して見送られました。
大村知事は「スタンバイはできている。導水で1か月程度は持つので、何とか乗り切っていきたい」と述べ、今後の対応に前向きな姿勢を示しました。これにより、短期的な水不足への対策が進められる見込みです。
衆院選に伴う職員の過重労働問題も浮上
また、大村知事は2月の衆院選を巡り、県選挙管理委員会の職員9人が1月に平均181時間の残業をしていたことを明らかにしました。最長の残業時間は232時間で、過労死ラインとされる月80時間の約3倍に達しています。
この背景には、衆院解散から投開票までが16日間と戦後最短となり、業務が集中したことが挙げられています。大村知事は、選挙事務の効率化や職員の負担軽減に向けた対策が必要だと指摘しました。
豊川用水の渇水問題は、農業生産に直接的な影響を与えるだけでなく、地域の水資源管理の重要性を改めて浮き彫りにしています。愛知県は、水の融通や導水計画を通じて、当面の危機を乗り切ろうとしていますが、長期的な対策が求められる状況が続いています。



