水俣病公式確認70年、患者が願う「真の解決」の時 慰霊式で教訓継承を誓う
水俣病70年、真の解決願う 慰霊式で教訓継承

「公害の原点」とされる水俣病が公式に確認されてから70年を迎えた1日、熊本県水俣市で犠牲者慰霊式が営まれ、現地は追悼の祈りに包まれた。今も救済を求める声はやまず、問題の解決に取り組むことや、水俣病のような公害を二度と起こさないための教訓の継承を、参列者たちが誓った。

慰霊式の様子

慰霊式は、汚染された湾を埋め立てた「エコパーク水俣」で開催され、患者や石原宏高環境相、木村敬熊本県知事、原因企業チッソの社長ら約780人が参列した。患者代表の緒方正実さん(68)は「祈りの言葉」で、「私が思う水俣病の真の解決とは、全ての人たちが起きた出来事と向かい合い心から反省をし、教訓につなげることができた時だと思います」と述べた。

環境相の訴え

石原環境相は「水俣病の経験と教訓を世界に発信し、水銀による環境汚染や健康被害のない世界の実現に向けて積極的に取り組む」と訴え、被害地域の再生、医療・福祉の充実に取り組む考えを示した。しかし、患者団体から要望が上がっている患者認定の在り方をめぐる問題や新たな救済策、健康調査についての言及はなかった。

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2024年に起きた、患者の発言中に省職員がマイクを切った問題の反省から、昨年に続いて1泊2日の日程で患者らと懇談した。

救済を求める裁判続く

水俣病の被害は今もなお続いており、多くの患者が救済を求めて裁判を起こしている。国やチッソの対応に不満を抱く声は根強く、真の解決にはまだ時間がかかるとみられる。慰霊式では、参列者全員が黙とうを捧げ、犠牲者の冥福を祈るとともに、公害の教訓を未来に伝える決意を新たにした。

水俣病は、チッソの工場から排出されたメチル水銀を含む廃液が原因で発生し、多くの住民に深刻な健康被害をもたらした。公式確認から70年が経過した今も、被害の全容は明らかになっておらず、国は新たな調査を避けているとの批判がある。

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