福岡市が下水汚泥からリンを回収する新施設を稼働、国内最大規模の年間300トンを目指す
福岡市などは、下水処理施設から排出される汚泥から肥料の原料となるリンを取り出す事業を推進しており、2日に効率的なリン回収を可能にする新たな実証施設を西区の西部水処理センター内に新設し、稼働を開始しました。この施設は、2027年度中に本格的な生成・肥料製造へと発展させることを計画しており、国内最大規模となる年間300トンのリン回収を目標としています。
国内のリン供給課題と福岡市の取り組み
日本では、リンのほぼ全量を輸入に依存しており、国際情勢の悪化に伴う価格の乱高下が安定供給の課題となっています。福岡市は、1996年に東区の和白水処理センターで下水からリンを取り出す施設を国内で初めて導入し、2022年にはJA全農ふくれんと協定を結び、再生リンを原料とした肥料「e・green」の販売を開始しています。
新施設の特徴と効率性
今回稼働した施設では、下水を浄化した最終段階で発生するリンが豊富に含まれた「余剰汚泥」のみを使用して、効率的にリンを回収します。この方法により、汚泥の処理量を削減し、設備の小型化が可能となるため、維持管理コストの低減が期待されています。
事業の概要と今後の展望
この事業は国土交通省の採択事業として実施され、総事業費は約14億円(2024、25年度)です。福岡市、JA全農ふくれん、および汚泥再生処理設備などを取り扱う月島JFEアクアソリューション(川崎市)の3者が共同で進めています。市などは4月以降、取り出したリンの成分分析などを通じて実証を進め、2027年度から本格的なリン回収と肥料の製造・販売を目指す方針です。
2日に行われた施設の完成式典後、福岡市下水道計画課の真崎裕幸課長は、「下水処理を適切に行いながら資源を有効活用し、市民の食卓にも行き届くような好循環を築いていきたい」と述べ、持続可能な資源循環への意欲を示しました。



