2024年度温室効果ガス削減ペースが鈍化、目標超過で1500万トンの差
環境省は4月14日、2024年度の国内温室効果ガス排出量に関する最新データを発表しました。森林などの吸収量を差し引いた「実質排出量」は、二酸化炭素(CO2)換算で9億9400万トンに達したことが明らかになりました。
削減実績は過去最少もペースに課題
この数値は基準となる2013年度と比較して28.7%の減少を示しており、2050年までに排出量を実質ゼロとする目標に向けて、これまでで最も低い水準を記録しました。しかし、削減の進捗ペースには明確な鈍化が見られ、政府が設定した計画上の事実目標を1500万トン超過する結果となりました。
日本は2013年度から2050年までを直線で結んだ長期的な削減ロードマップを推進していますが、2024年度はこの計画から外れることになりました。同様の目標未達は2022年度以来2度目となります。
年度間の削減幅が大幅に縮小
環境省の分析によれば、年度間の排出量削減幅は以下のように変化しています:
- 2022年度から2023年度:4370万トンの削減
- 2023年度から2024年度:1880万トンの削減
この大幅な減少の背景には、再生可能エネルギーや原子力発電の導入拡大が予想よりも小幅に留まったことが影響していると見られています。エネルギー分野の移行が計画通りに進まなかったことが、排出量削減の足かせとなった可能性が高いのです。
森林の吸収量減少も懸念材料に
さらに、森林などによるCO2吸収量についても、5230万トンと前年度から減少傾向を示しています。この現象は、国内の森林の樹齢が上昇し、成長速度が鈍化しているため、二酸化炭素の吸収能力が低下していることが主な原因と考えられます。
環境省は今回の結果について、「削減が進む年と鈍化する年があるものの、全体的な減少傾向は維持されている」と説明しています。しかし、目標からの逸脱が2度目となることから、より効果的な気候変動対策の強化が求められる状況が浮き彫りになりました。
2050年カーボンニュートラル実現に向けては、再生可能エネルギーの更なる普及加速、原子力発電の安定供給、そして森林管理の見直しなど、多角的なアプローチが必要不可欠であることが、今回のデータから改めて示唆されています。



