高蔵寺ニュータウンで住宅確保要配慮者向け転貸事業開始 URと居住支援法人が協力
高蔵寺ニュータウンで要配慮者向け転貸事業 URと法人が協力

高齢者や障害者に住まいを提供 高蔵寺ニュータウンで新たな支援事業

愛知県春日井市にある高蔵寺ニュータウンで、高齢者や障害者、DV被害者など賃貸住宅の貸し渋りに遭いやすい「住宅確保要配慮者」に向けた住宅転貸事業が始まった。団地を管理する都市再生機構(UR)と、愛知県が指定する居住支援法人が連携する中部地方初の取り組みである。

福祉法人が居住支援法人に 住宅転貸事業を開始

この事業の中心となるのは、高蔵寺ニュータウンの藤山台団地に本部を置く社会福祉法人「まちスウィング」だ。治郎丸慶子理事長(61)は「福祉の現場は待ったなし。今、どうにかしたい」と語る。同法人はこれまで、障害者やDV被害者から「部屋を借りられない」という相談を受けても十分なサポートができなかったが、居住支援法人に指定されることで、事業として住宅を転貸できるようになった。

昨年4月に県の指定を受けたまちスウィングは、まずUR中部支社(名古屋市)に協力を要請。URは国の方針を受け、2022年から要配慮者の家賃を3年間2割減額する制度を全国で開始しており、タイミングが合致した。

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入居前後の包括的支援体制を構築

居住支援法人は単に住宅を提供するだけでなく、入居前後の生活全般をサポートする。入居希望者から相談を受けると、部屋探しと並行して生活上の課題を聞き取り、障害者手帳や生活保護の申請が必要な場合は手続きに同行。就労希望者には同法人の就労支援事業所を紹介し、身寄りのない人には緊急時の電話相談体制を整えるなど、個々の状況に応じた支援を行う。

地元の薬局や介護タクシー、医療関係者も「高蔵寺居住サポートネットワーク」として連携。普段からニュータウンのまちづくりに関わり地域事情に精通した専門家たちが支えている。トーカイ薬局(春日井市)の福田真悟さん(45)は「いろいろな専門家が支えているのが強み」と話す。

具体的な成果と今後の展望

まちスウィングには1年足らずで30件の相談が寄せられ、既に2件の入居が決定した。30代の女性は障害者グループホームになじめず一人暮らしを希望していたが、片付けや献立のサポートがあれば可能と判断され、現在は週3回の家事支援を受けながら就労支援事業所に通っている。

高蔵寺ニュータウンは高度経済成長期に整備された国内有数の大規模ニュータウンだが、URが賃貸する団地の多くは築50年以上で空室が目立つ。治郎丸理事長は「生活に困難を抱える入居者が何でも相談でき笑顔で暮らせる仕組みが、ニュータウンの価値を高める」と期待を寄せる。

居住支援法人制度の概要

居住支援法人は、賃貸住宅への入居が難しい住宅確保要配慮者の住まいを確保し生活を支援する組織で、2017年10月施行の改正住宅セーフティネット法に基づき都道府県が指定する。入居情報の提供や相談、入居後の見守り、家賃の債務保証などを行う。全国で1120団体(昨年末時点)、愛知県には2月末時点で41団体が存在する。

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