万博で使用されたEVバス150台、安全性の問題で転用計画が頓挫
大阪メトロが、大阪・関西万博の来場者輸送に活用した電気自動車(EV)バス150台について、路線バスなどへの転用計画を見合わせていることが3月11日に明らかになりました。車両に不具合が確認され、安全性への懸念が高まったためです。
巨額の公的資金が投入されたバス購入
これらのEVバスは「EVモーターズ・ジャパン」(北九州市)から購入され、総額は約75億円に上ります。そのうち、40億円を超える金額が国と大阪府、大阪市からの補助金によって賄われていました。大阪メトロの100%株主である大阪市が、同日の市議会委員会でこの事実を公表しました。
当初の計画では、万博閉幕後にこれらの車両を路線バスとして活用したり、自動運転技術の実証実験に使用したりすることが検討されていました。しかし、安全性の問題が浮上したことで、これらの転用計画は事実上、白紙に戻された状態です。
国土交通省による立ち入り検査も実施
背景には、EVモーターズ・ジャパンに対する国土交通省の調査があります。同省は昨年10月、同社の車両で運行トラブルが相次いだことを受け、道路運送車両法に基づく立ち入り検査を実施していました。この検査結果が、バスの安全性に対する懸念をさらに強める要因となった可能性があります。
今回の事態は、公的資金を大量に投入したプロジェクトが、想定外の技術的問題に直面した事例として注目されます。特に、環境対策や次世代交通手段の導入を推進する中で、安全性の確保が最優先課題であることを改めて浮き彫りにしました。
大阪メトロや関係自治体は、今後の対応について検討を進めていますが、現時点ではEVバスの具体的な活用方法については未定のままです。公的資金の有効活用と、市民の安全確保の両立が、今後の大きな課題となるでしょう。



