火葬料金に公営と民営で最大8万円以上の格差 東京都が実態調査結果を公表
東京都は31日、都内外の火葬場の運営実態に関する調査結果を公表した。調査によると、公営火葬場と民営火葬場の料金に大きな格差があることが明らかとなり、都は「行政の関与のあり方の検討が必要」と指摘している。火葬場の課題を議論するため、2026年度に検討会を設置する方針だ。
調査対象は44施設と75自治体 稼働率は既に高水準
調査は昨年12月から今年3月にかけて実施され、火葬場44施設と都内全62区市町村、隣接する神奈川県逗子市など計13市が対象となった。施設の実績や料金などについて、調査票や聞き取りを通じて詳細に調べられた。
2024年度のデータでは、23区における火葬の84%を民営火葬場が、多摩地域では72%を公営火葬場がそれぞれ担っていた。公営火葬場の稼働率(受け入れ可能数に対する火葬件数の割合)は、23区で88%、多摩地域で92%と、既に高い水準に達している。
年間死亡者数は増加傾向 火葬能力の強化が急務に
東京都内の年間死亡者数は、2024年時点で約14万人だが、2065年ごろには約20万人に増加する見通しだ。各自治体は、今後さらに高まる火葬需要に対応するため、火葬能力の強化を重要な課題として認識している。
特に23区では民営火葬場への依存度が高く、多摩地域では公営火葬場が中心的な役割を果たしていることから、地域ごとに異なる課題が浮き彫りとなっている。
料金格差が顕著 公営は無料~2万円未満、民営は8万円以上が7割
火葬料金に関する調査結果では、公営火葬場の多くが地元住民に対して無料か2万円未満の低額設定となっているのに対し、民営火葬場では8万円以上が約7割に上るなど、大きな格差が確認された。
民営火葬場からは、施設の更新や建て替えなどのコストを反映した料金設定が必要との意見が寄せられた。事業者によって火葬事業の範囲や料金設定への考え方が異なっており、統一的な基準が存在しない現状が課題として指摘されている。
公共性を踏まえた行政の関与を検討 2026年度に検討会設置へ
東京都は調査結果を踏まえ、「公共性を考慮し、経営管理や行政の関与のあり方について検討が必要」との見解を示した。火葬場の運営には地域住民の福祉や公共の利益が深く関わっており、適切な行政の関与が求められる場面が多い。
都は2026年度に検討会を設置し、火葬場の運営実態や料金設定のあり方、今後の火葬能力確保の方法などについて、多角的な議論を進める計画だ。調査結果は、この検討会で活用される予定である。
火葬料金の格差是正や、増加する死亡者数への対応は、東京都のみならず全国的な課題として注目を集めており、今後の動向が注目される。



