茨城県土浦市が電子看板のガイドラインを策定 光害対策で快適な景観づくりを推進
茨城県土浦市は、発光ダイオード(LED)を活用した「デジタルサイネージ(電子看板)」の表示内容に関するガイドラインを策定した。市によると、電子看板の表示基準を定めたガイドラインの策定は茨城県内で初めての試みとなる。近年、市内では電子看板の設置が増加する一方で、市民から「光がまぶしい」といった苦情が数件寄せられており、快適な景観づくりを目指す新たな取り組みが始まった。
光のまぶしさや色合いに具体的な基準を設定
ガイドラインでは、まぶしさを表す輝度について、設置区域や時間帯に応じて細かな基準を設定している。特に、看板が歩行者と同じ目線の高さに設置されている場合は、特段の配慮を求める方針だ。色合いに関しては、具体例を提示しながら、彩度の高い色の組み合わせや、渦巻きなど錯覚を誘発する模様の使用を控えるよう呼びかけている。
過度な映像の演出については、ドライバーの注意をそぐことで交通事故のリスクを高める可能性があると指摘。極端な点滅演出や、ストーリー性を持たせて受け手の注目を過度に集める表現を避けるよう、業者に対して注意喚起を行っている。
市民の苦情を受け、県外の先行事例を参考に策定
土浦市内には現在、民間によって設置された電子看板が20基近く存在する。これまで、関連法に基づいて看板の大きさや設置場所は規制されてきたが、表示内容については対象外だった。しかし、昨年以降、市民から光害に関する苦情が複数寄せられたことを受け、市は対策に乗り出した。
ガイドラインの策定に際しては、県外の先行自治体の事例を参考にし、業者の意見も丁寧に聞き取った。市の担当者は「経済活動への過度な規制にならないよう、無理せずに順守できるラインを意識した」と説明。業者側からも「目安があると助かる」「逆にやりやすくなる」といった好意的な反応が寄せられているという。
罰則は設けず、業者との協力を重視
実際に設置されている電子看板の中には、新たなガイドラインに抵触しているものも複数確認されている。ただし、市は罰則規定を設けず、業者に対して内容を周知し、自主的な協力を呼びかける方針だ。市の担当者は「想定しない技術が今後登場する可能性もあり、必要に応じて柔軟に見直していきたい」と語り、時代の変化に対応できる枠組みを目指す姿勢を示した。
この取り組みは、都市景観の保全と地域経済の活性化を両立させるモデルケースとして、他自治体からも注目を集めそうだ。土浦市は、ガイドラインの順守を通じて、市民が快適に暮らせる街づくりをさらに推進していく方針である。
