空き家化は子どもの居住地と家族構成で予測可能に ルリアン社が5863件の相続データを分析
空き家化は子どもの居住地と家族構成で予測可能に

空き家化リスクは子どもの居住地と家族構成で予測可能に

子どもが実家を相続する際、空き家になるかどうかは子どもの居住地との距離が大きく影響し、子どもが他県に住んでいる場合は7割以上が空き家になる傾向が明らかになった。相続プラットフォーム事業を展開する株式会社ルリアン(京都市)が、サービス利用顧客のデータを分析した結果である。

5863件の相続データを詳細分析

同社は2021年から2024年にかけて発生した死亡事例のうち、相続が完了したケースを対象に分析を実施。子どもが相続の当事者であり、相続財産に不動産が含まれる5863件のデータを匿名化して調査した。親がすでに1人で子どもが複数いる家族において、誰が実家を相続したかを詳細に調べた。

分析結果は驚くべき傾向を示している。子どもの中で最も近くに住んでいる人物が実家を相続する確率が最も高く、他の子どもと比較して約8倍にのぼった。また、息子と娘の両方がいる場合では、息子が相続する確率は娘の約4倍であった。

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居住地による空き家化率の明確な差

空き家になる見込みについて尋ねたところ、実家から徒歩圏内や同じ市内(東京23区を含む)に居住する子どもが相続した場合、空き家化率は50%を超えた。同じ都道府県内では67%、都道府県外では73%と、居住地が遠くなるほど空き家化リスクが高まることが確認された。

家族構成別に見ると、空き家化の見込みは「娘1人」の場合が最も高く49%に達した。続いて「娘が複数」で37%、「息子1人」で34%など、子どもの性別と人数によってもリスクに差があることが判明した。

予防的な対策への活用可能性

相続に関する公的な統計は限られており、これほど具体的な状況まで分析できるデータは珍しい。分析を担当した同社の宇佐美朋香さんは次のように指摘する。

「子どもがすでに自らの生活基盤を有しているかどうかの影響が強いと考えられます。空き家になるリスクの高さは、子どもの構成や居住地などで相続前からある程度は予測できます。この知見を予防策にもつなげられればと考えています」

同社のサービスでは、連携する葬儀会社や金融機関から紹介された顧客に対し、行政書士が無料相談に応じ、必要に応じて相続や死亡に関する手続きを提供している。実際に専門職との契約に至るケースは年間数千件にのぼるという。

今回の分析結果は、空き家問題が深刻化する現代社会において、相続前からリスクを評価し、適切な対策を講じるための貴重なデータとなる可能性がある。特に地方における空き家増加問題への対応において、予防的なアプローチが求められる中、実証データに基づく分析は重要な示唆を与えるものと言える。

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