福島復興の足かせに住宅不足 多様な住まい確保が地域再生の鍵
福島復興の足かせに住宅不足 多様な住まい確保が鍵

福島復興の課題として浮上する住宅不足の深刻さ

東京電力福島第1原発事故により避難指示が出た地域では、住宅の不足が地域再生の大きな足かせとなりつつある。公設民営の店舗や交流施設を整備しても、定住人口が増加しなければ、持続可能な生活圏を構築することは困難だ。国と県は、第3期復興・創生期間の重点課題として、住宅問題に本格的に取り組む必要性が高まっている。

被災市町村の住宅整備の現状と課題

被災市町村はこれまで、避難指示の解除に合わせて公的な住宅を整備し、帰還者や移住者向けの住まいの確保を図ってきた。しかし、解除時期が遅れた地区では、老朽化に伴う解体が進んだことなどにより、利用可能な物件自体が少なく、新たな需要に対応しにくい状況が続いている。

例えば、大熊町では、町内の「学び舎ゆめの森」に子どもを通学させるための「教育移住」を検討する人々や帰還希望者から、住宅に関する問い合わせが多数寄せられている。だが、家族連れが住むことができる物件は希少で、公設の賃貸住宅に空きが出ると、入居抽選は20倍を超えることもあるという。

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移住定住や帰還の熱意を冷ませないための対策

現地に住宅がない、あるいは作業員向けの単身住宅しか選択肢がない状況では、移住定住や帰還への熱意が冷めてしまう恐れがある。国と県は、分譲地の整備や一戸建て、子育て世帯向け集合住宅の建設など、多様な住宅を確保するための支援策を打ち出すことが重要だ。

公的な住宅整備は、自治体にとって維持管理費が負担となるため、際限なく続けることはできない。民間事業者の主導による整備が望ましいが、県などの聞き取りによれば、建設費を回収できるかどうかや、入居者数を予測することの難しさなどが懸念材料になっている。

新たな支援策と民間投資の促進

復興庁は新年度から、浜通りなどの被災12市町村に賃貸住宅を整備する「福島再生賃貸住宅整備事業」において、民間が建設した場合の補助率を現行の2割から4割に倍増させる方針だ。国と県、被災自治体は、制度の周知とともに、今後行われるインフラ整備に伴う住宅需要の見通しなどを示し、民間事業者の投資を引き出すことが求められる。

被災地の住宅を巡っては、家賃が高い傾向にあることも課題となっている。県は新年度、国の移住者を対象にした家賃補助制度の事務を引き受け、12市町村への移住者に月額最大4万円を3年間補助する取り組みを開始する。

地元市町村の負担軽減を求める声

移住者の家賃補助制度はこれまで、市町村側の人手不足などにより実施が6市町にとどまっていた。国には、新たな住宅関連の施策を行うに当たって、地元市町村の負担を軽減する形で制度設計することを強く求めたい。地域再生のためには、住宅問題の早期解決が不可欠であり、官民一体となった取り組みが急務となっている。

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