夜間の高速道路サービスエリア(SA)では、大型車用駐車スペースの不足が深刻化する中、ドライバーが車内で用を足し、道路沿いに廃棄する「黄金のペットボトル」と呼ばれる容器の処理が問題となっている。中日本高速道路は「ゴミは各自で所定の場所に処理してほしい」とマナーの徹底を呼びかけている。
清掃活動で実態明らかに
県トラック協会と中日本高速道路は5月19日、静岡市葵区の「新東名静岡SA」(上り線)で初めて合同清掃活動を実施した。約50人の参加者がSAから本線に合流する道路脇を歩き、トングでゴミを拾い集めた。
ゴミの多くは運転席側の側溝や植え込みから発見された。空の弁当容器や紙パックに加え、尿が入っているとみられるペットボトルも散見された。参加した浜松SAの50歳代女性清掃員は「夏場はペットボトルが膨張し、拾う際に破裂して中身を浴びた職員もいる」と語る。
清掃員への影響
静岡SAでは回収した容器を作業場で中身を流してから廃棄しているが、回収・処理時の悪臭が清掃員の心理的負担を大きくしている。1日あたり約30~40本が回収され、30分の清掃で約100本が見つかることもある。
運送業界の事情
SAのトイレを使用せずペットボトルで用を足す背景には、運送業界の厳しい労働環境がある。2024年4月からトラック運転手の時間外労働上限が年960時間に制限され、4時間連続運転後の30分以上の休憩確保(430休憩)も厳格化された。
参加した県トラック協会青年部会の高取慶部会長(48)は「時間制限により、ドライバーがより時間を気にするようになったのではないか」と分析する。「今のペースを維持したい」「トイレのために止まっていられない」という心理が働く一方、高取さんは「清掃に参加して相当な量のポイ捨てを目の当たりにした。ペットボトルの処理は自分で行うべきだ」と強調した。
対策と呼びかけ
中日本高速道路静岡保全・サービスセンターの清水智之管理担当課長(44)は「ドライバーも車内に置きたくないのではないか」と推測する。大型車両の駐車スペース不足に加え、トイレや休憩所から離れた場所に駐車せざるを得ないことも要因と考えられる。
同社は中和剤で臭いを抑え衛生面に優れた携帯用トイレの利用を呼びかけている。清水課長は「毎日回収する清掃員の心理的負担は大きい。各自で持ち帰るか、休憩施設のトイレで処理するなど、マナーを守ってほしい」と訴えた。



