万博EVバス190台、使用中止で損失計上へ 負の遺産問題が長期化
万博EVバス190台、使用中止で損失計上へ 負の遺産問題

大阪・関西万博の会場や周辺で運用されていた電気自動車(EV)バス190台について、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)は事業に使用しない方針を固め、14日に発表する決算で関連損失を計上する見通しであることが明らかになった。

契約対立と補助金返還協議

大阪メトロは、バスの販売元である「EVモーターズ・ジャパン」(北九州市、EVMJ)と、売買や整備を巡る契約で対立している。さらに、国や自治体との間で補助金の返還に関する協議を控えており、万博の「負のレガシー(遺産)」問題は長期化する可能性がある。

購入から使用中止までの経緯

バスは、大阪メトロが2022~24年度に190台を購入したものだ。EVMJが中国メーカーに委託して製造し、150台を万博会場や周辺で、40台を大阪市内のオンデマンドバスとして使用していた。しかし、万博会場付近や他の納入先で事故が相次ぎ、EVMJは昨年11月にバス85台のリコールを届け出た。大阪メトロによると、このうち35台は万博会場内で使用されていたという。

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今年1月以降、大阪メトロはEVMJと協力して一部のバスで点検や試験走行を実施したが、その過程で「重大な不具合や潜在的な欠陥」(大阪メトロ)が確認された。そして3月末には、「安全性と長期的な安定性を確保できる方法・体制を確立することは困難」として、すべてのバスの使用を中止することを発表した。路線バスへの転用や自動運転の実証実験の実施も取りやめられ、大半のバスは大阪市城東区の敷地に留置されたままとなっている。

事故の実態と今後の見通し

バスのトラブルは、大阪メトロとEVMJの間で契約を巡る対立に発展している。大阪メトロの堀元治常務は4月の会見で、EVMJに対して契約違反があると主張し、法的措置も視野に入れていることを示唆した。一方、EVMJ側は「バスに重大な欠陥はない」と反論しており、両者の主張は平行線をたどっている。

また、補助金の返還問題も浮上している。大阪メトロは、国や大阪府・市からバス購入に関連する補助金を受けていたが、使用中止に伴い返還が必要となる可能性がある。この協議が長引けば、大阪メトロの財務にさらなる影響を与える恐れがある。

万博の象徴とも言えるEVバスが、今や「負の遺産」として問題視される事態となった。今後の行方次第では、万博のレガシーそのものの評価にも影響を及ぼす可能性がある。

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