三重・鳥羽沖衝突事故で貨物船航海士を逮捕 業務上過失致死容疑
鳥羽沖衝突事故で貨物船航海士を逮捕 業務上過失致死容疑

鳥羽沖衝突事故で貨物船航海士を逮捕 業務上過失致死容疑

三重県鳥羽市国崎町沖で発生した貨物船と遊漁船の衝突事故で、鳥羽海上保安部は2026年2月21日、貨物船「新生丸」を操船していた二等航海士の杉本波音容疑者(21)=兵庫県洲本市=を業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで逮捕し、正式に発表しました。海上保安部は現時点で容疑者の認否については明らかにしていません。

衝突事故の詳細と被害状況

海上保安部の発表によりますと、事故は2026年2月20日午後1時前に発生しました。杉本容疑者が操船する貨物船「新生丸」(499トン)が、沖合で遊漁中だった遊漁船「功成丸」(16トン)に衝突したとされています。この衝突により、遊漁船に乗船していた三重県松阪市の谷口幸吉さん(84)と中川元弘さん(67)の2名が死亡しました。

遊漁船「功成丸」には船長(66歳)を含む男性13名が乗船しており、衝突の衝撃で船体が二つに割れて漂流する深刻な状況となりました。乗船者たちは海に投げ出されるなどし、死亡した2名のほか、船長を含む60代から80代の10名が重軽傷を負いました。現場は鳥羽市の石鏡港第2号防波堤灯台から東に約6.4キロの海上でした。

事故発生時の状況と両船の動向

遊漁船「功成丸」は事故当日の20日午前11時40分ごろ、釣り客を乗せて鳥羽市の国崎漁港を出港しました。正午ごろから事故現場付近で錨泊し、遊漁活動を行っていたとされています。一方、貨物船「新生丸」には6名が乗船しており、愛知県の衣浦港から岡山県の水島港に向かう航路中でした。

海上保安部の調査では、遊漁船の右舷側に貨物船が衝突したとみられており、事故の詳細な原因究明を進めています。衝突した貨物船「新生丸」の球状船首部分には、明らかな衝突跡が確認されています。

事故調査の体制と今後の対応

この重大な海上事故を受け、国の運輸安全委員会は船舶事故調査官4名を担当調査官に指名しました。近く現地に派遣し、専門的な観点から事故原因の徹底調査を行う方針です。海上保安部も業務上過失致死などの容疑で航海士を逮捕したことで、刑事事件としての捜査を本格化させています。

今回の事故は、比較的穏やかな海域での遊漁活動中に発生した衝突事故として、海上安全対策の再点検を促す事例となりました。船舶の運航管理や海上交通ルールの遵守が改めて問われる事態となっています。