都心再開発にブレーキ、工費高騰と中東情勢が影響
東京都心部の再開発プロジェクトで、計画の見直しや延期が相次いでいる。物価高や人手不足に加え、中東情勢の悪化による原油価格高騰が建築資材にも波及するとの懸念が強まっている。都心部の大規模事業は工期が長期にわたり、工費高騰の影響を受けやすいため、開発各社はリスク回避のため様子見姿勢を強めている。
帝国ホテル、建て替え時期を未定に
帝国ホテルは、東京本館(千代田区)の建て替え時期を2031~2036年度から「未定」に変更した。周辺の内幸町地区と一体で進める再開発の遅れが原因で、ホテル側は「より質の高い計画を検討する期間が必要」と説明。隣接するタワー館の解体工事も2030年度末ごろに延期される。
第2六本木ヒルズも遅延
都内最大級の再開発とされる「第2六本木ヒルズ」(港区)も着工が遅れている。高さ300メートル前後の超高層ビル2棟を建設する計画で、開発面積は9.2ヘクタール。事業主体の森ビルは「建築費の高騰や職人不足の影響で、当初の2030年度竣工から遅れる見込み」としている。
西武HD、工期を精査
西武ホールディングスは、グランドプリンスホテル新高輪(港区)の再開発について、2028年度着工、2032年度完成としていた工期を「精査する」と発表。2026年度中に終了予定だったホテル営業を2027年4月以降も継続する。担当者は「建築費の高騰や人手不足、ゼネコンの施工能力などを考慮し、今やるべきか様子を見るべきか判断したい」と述べた。
中東情勢が追い打ち
工費高騰に加え、中東情勢の悪化がさらなるコスト増リスクを高めている。石油由来のナフサを原料とする建築資材や重機用燃料の値上がりが懸念され、大手ゼネコンからは「資材価格や納期に影響が出始めている」との声が上がる。三菱地所の梅田直樹常務は「今は危ない。無理に突っ込む勇気はない」と語り、自社案件の着工に慎重姿勢を示した。三井不動産の藤岡千春専務も「工事費高騰が続けばインフラ整備の遅れにつながりかねない」と懸念を表明した。



