バス業界のドライバー不足と利用者の費用負担軽減希望、狭間で起きた磐越道事故
バス業界のドライバー不足と利用者の費用負担軽減希望、狭間で起きた事故

福島県郡山市の磐越自動車道で、部活の遠征先に向かっていた北越高校(新潟市)の部員を乗せたマイクロバスが事故を起こし、生徒が亡くなった。背景には何があるのか。中央大学の後藤孝夫教授(交通経済学)に聞いた。

事故の背景にあるミスマッチ

後藤教授は「事業者側と利用者側にそれぞれ事情があり、ミスマッチから、あってはならない『抜け道』で起きた事故だ」と指摘する。バス事業者側は、働き方改革のため2024年から運転者の拘束時間の規制が強化され、稼働時間が減少した。しかし業界は慢性的なドライバー不足に直面しており、バス事業の半分以上を人件費が占める中、経験豊富な運転者を確保するには賃金を上げる必要がある。

一方、学校や保護者などの利用者側は、物価上昇で家計が厳しくなる中、教育費、特に部活動の遠征費などの負担をできるだけ抑えたい事情がある。事業者は安全のために価格を上げざるを得ず、利用者は価格を下げてほしい。その板挟みの中で生まれたのが今回のケースだという。

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過去の事故と安全対策の強化

2016年に長野県軽井沢町で発生したスキーバスの転落事故を教訓に、国は貸し切りバスの安全対策を大幅に強化した。バス事業者には運転者の技量や経験を厳格に把握する義務が課され、経験不足や事故歴のある運転者には実技訓練が求められている。運行管理の厳格化により一定の効果はあったとされるが、今回はバス会社を窓口とした契約の隙間が問題となった可能性がある。

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