東日本大震災の津波により児童と教職員合わせて84人が命を落とした宮城県石巻市釜谷の震災遺構「大川小学校」で、11日に保全作業が開始された。経年劣化が進む校舎を後世に伝えようと、遺族らで組織する「3・11を考える会」が募金を集め、その費用に充てられた。
作業内容と経緯
今回の作業では、低学年棟の屋根と壁画の2カ所に防水塗装などを施す。同会が遺構を管理する石巻市の許可を得て実施され、この日は作業員3人が作業に当たった。作業は約1カ月かかる見通し。
大川小学校は2021年に震災遺構として指定され、市は可能な限り手を加えない方針で保存してきた。しかし、2階天井に残る津波の痕跡は薄れ、2024年12月には校舎外壁のタイルが剥がれ落ちるなど、劣化が目立っていた。
遺族の思い
このため、同会が保全のための募金活動を実施。今回の作業に集まった300万円を充てた。作業を見守った同会代表で、当時小学3年生だった長女未捺さん(当時9歳)を亡くした只野英昭さん(55)は、「校舎を慰霊碑のように思っている。現状を維持し、後世に伝えるために、今後も活動を続けていく」と語った。



