警視庁は5日、交通事故の捜査に必要な交通鑑識の能力向上を目的とした研修会を、茨城県牛久市内の民間施設で実施した。講師には交通事故鑑定の専門家である山崎俊一氏(75)が招かれ、乗用車とダミー人形を用いた衝突実験が行われた。
研修会の概要
この研修会は、鑑定技術の開発や鑑識捜査員の教育を行う民間企業「知能自動車研究所」(茨城県つくばみらい市)の代表を務める山崎俊一氏が指導。交通捜査課の鑑識係員約25名が参加した。
衝突実験の内容
参加者は、歩行者を模したダミー人形に車両を衝突させ、道路上のタイヤ痕や靴底の擦過痕などを詳細に記録。衝突時の速度など事故状況の解明に取り組んだ。山崎氏は「タイヤ痕などは現場のより広い範囲で確認するよう」と助言した。
想定された事故類型
今回の実験は、ドライバーが前方不注意で歩行者をはねた事故を想定。実際に居眠りやスマートフォン操作など「発見の遅れ」が原因で発生した事故は、昨年1年間に都内で起きた人身事故の57%を占めるという。
研修の目的
交通捜査課の高橋哲課長は「都内で発生しやすい事故類型を再現した。最新の事故解析技術を鑑識係員に習得させ、重大事故発生時に的確な初動捜査を行うことが目的」と説明。「事故捜査では物的証拠に基づく科学的解明が必要であり、研修で専門的知見を習得し、公判を見据えた正確で緻密な鑑定を行えるようレベルアップを図りたい」と述べた。



