名古屋市南区の交差点で29日、男女2人がマイクロバスにはねられ死亡した事故で、この送迎バスを運行していた「名古屋スイミングクラブ」(南区)が取材に応じ、事故直前に運転手に異変があったことを明らかにした。バスのGPSや目撃情報から、不自然な低速走行や踏切への侵入が確認されたという。
事故の概要
愛知県警によると、バスを運転していたのは自称アルバイトの酒井照也容疑者(85)。酒井容疑者は29日午後5時35分ごろ、南区寺崎町の信号交差点で男女2人をはね、死亡させるけがを負わせて逃走した疑いで30日に逮捕された。「間違いありません」と容疑を認めている。
異変の兆候
クラブが異変を察知したのは、事故現場の交差点から約150メートル西側の踏切だった。後続車から「バスが遮断機を押し上げながら進入している」と電話があった。GPS情報によると、バスは1分半かけて踏切を渡り、その後15分かけて交差点までの約150メートルを低速で進んだ。クラブのスタッフが無線で「大丈夫か」と呼びかけたが、酒井容疑者からは曖昧な反応しか返ってこなかったため、停止して待機するよう伝えた。
事故後の状況
事故後、スタッフが警察とドライブレコーダーを確認したところ、男女2人をはねた後もバスは低速で走行し、他の車に追い抜かれるなどしていた。バスは交差点から約350メートル東側で標識をなぎ倒し、別の自動車にぶつかった状態で見つかった。県警は走行状況や事故原因を詳しく調べている。
なお、同クラブではドライバー不足が続いており、85歳の運転手を雇わざるを得なかった背景がある。中型バスの駐車操作に支障をきたす場面もあったという。



